セクシー掌編「星空のディスタンス」

月明かりのドライブ。岬に停めた車内で迫ると、笑って逃げた君が柵を越え、波飛沫の磯へと歩きだした。海へ突き出す岩で細い影が月光を翻す。「いまこれくらいの距離かな、私たち?」彼女が背負う星空よりも、あの艶めく女体まで遠い気がする。いいさ、何光年離れていても引き寄せてみせる。

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