リンパ脈管筋腫症LAM症例検証会(呼吸器内科)
症例に関して一言喋るたびに講師の先生が5-10min話を膨らませるというミラクル知識の泉魔術を繰り広げる2時間.
・27yrs old, F < 高齢疾患の多い呼吸器内科での若い人,といえば遺伝子疾患,膠原病,免疫系を疑いたくなる.妊娠適齢年齢女性というのも気になる.
・BMI18.1 < BMI低値,遺伝か慢性疾患か疑いたくなりますね.BMIが18以下になるとどんな病気でも予後が悪くなる.
・主訴は左胸痛,咳嗽 < 咳というのはどういう機序で出るか知っている? Cough Receptor咳受容体はどこに分布しているか知っている?>気管,気管支,咽頭,胸膜,心外膜,外耳,食道にもある.咳と言っても重症な場合は腹直筋血腫ができる重症例もある.
・1歳で痙攣発作,脳室/皮膚/腹部病変/眼/両腎/両側肺嚢胞性病変 < 非喫煙者の嚢胞性病変,気になりますね
・気胸 < 仰臥位では気胸側と健側どちらが高くなる?気胸側が高くなる.内側に引っ張る力である胸腔内圧(-5mmHg)がなくなるから. 肺尖部では-10mmHg,肺底部-5mmHgで分布に差があるため,肺尖部で嚢胞は大きくなりやすいし,肺気腫も肺尖でできやすい.
・月経中に気胸を起こしたことがある < 月経随伴性気胸というものもある.異所性子宮内膜症とか.
・今回気胸で胸痛 < 胸痛は肋間神経で伝わる.胸膜炎初期は痛みがひどく(炎症,癒着で擦れる),晩期で痛みがなくなることがあるが,これは軽快したからではなく,悪化して胸水が貯留し胸膜が擦れることがなくなってしまうため.
[画像所見]
右横隔膜下には普通2椎体見える < 1椎体しか見えなかったら肺下胸水あり
縦隔右寄り < 右寄っているからと言って左の緊張性気胸とは限らない.胸腔内圧下がって平圧の左肺が気胸側に寄ってしまうだけ
[治療]
前胸膜カバリング術予定で転院した < 肺膜癒着はしなかったのは肺移植する可能性があったため.癒着すると移植困難