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『自堕落静養日記。十月十六日』

私の痔歴は長い。
振り返れば、目を瞑って脳のカロリーをなかなか消費するほどには長く、ざっと、二十年ほどだろうか。『二十年痔者生活』だ。もともとが、胃腸の調子がわるい赤ん坊として産声をあげたので、仕方ない面もある。そして、私はバイク乗りでもある。尻を痛めつけながら生きてきた。

イボ痔の塊をカリッと切除してもらった事は二度ある。「切除しても、またイボ痔になりますよ」とは、医師から聞いている。「でも、ツラいんでサクッと切ってください」、切除は数分で終わる。そして、数年後にひょこっと顔を出す。医師の言うとおり、たびたび私は痔者に変身する事を繰り返してきた。

基本、イボ痔は放って置けば良い。イボ痔とは、要は血の塊なのだ。血流を良くして辛抱強く血塊を溶解させていくしかないのだ。今は、市販のよい薬もある。舌下でゆっくり錠剤を溶かしながら血塊を溶解させていくものもある。そして、長風呂や尻ホッカイロでの長期戦でゆくしかない。いざとなれば、低温火傷に注意しながらホッカイロを尻で挟むという荒業もある。

薬も多岐にわたる。軟膏、クリーム、舌下錠、注入、坐薬。私は基本、注入軟膏派であった。しかし、ポチり間違いによりこの度坐薬を買ってしまった。座薬は体温で溶け出す。ちゅるんちゅるんと出たり入ったりして上手くゆかない。けれど、入ってしまえば注入軟膏よりもいいかも知れない。とくに、いまの私はキレキレの切れ痔者なので坐薬があっているかもしれない。血塊の障害がないのでちゅるんちゅるんも、どうって事はない。

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