『自堕落静養日記。十一月八日』
ほんっとに、ひっさしぶりにバイクで走ってきた。
まずオイル交換をして、赤城山の南面を東から西へと鼻水をたらしながらゆらゆらと走った。目ざす先は林檎直売所だ。
赤城インターのほど近くに林檎直売所はある。私の目当てはシナノゴールド。酸味と甘みがぎゅううっと詰まった私好みの品種。
着いて直売所の外をながめると沢山のカゴがあり、中へ入ると林檎の味見をさせてくれた。「シナノゴールドありますか?」と私が訊ねると、直売所のおばさんは忙しない動きで何処かへ行き、すぐ帰ってくると「B級品でもいいですか?」と言った。そして、林檎園の中へ案内された。
私は『刈る』つもりはなかったのだけれど、シナノゴールドはもう終わりの季節で直売所内にはないようだ。黄色くてぷつぷつっとした斑点があるのが食べ頃だという。私は十ほど、もいだ。林檎の黄色い尻をつかみ「くいっ」とヒップをアップするようにもいだ。わりと簡単にもげた。と、いうことは台風が来たらひとたまりもないわけだ。林檎園はネットで覆われていた。
「シナノゴールドは重いんですよ」と、カゴが量りに載せられた。うん、それはなんとなくわかる。他の林檎よりもみっしりしている。そして、シナノゴールドのボケ率の低さは重くみっしりしているからなのだろうと、ひとり納得した。もいだ後気づいたのだが、わりと樹の上のほうに黄色い奴がいた。カゴの中を見て一目瞭然、薄黄色が多い。やや失敗かとも思ったけれど、家でさっそく食べたら美味しかった。猛暑だった事もあり、赤い染みのあるものも樹に数多くあった。
計1720円でありました。はがきに住所と名前を書く事を勧められた。来年は、収穫時期に合わせてはがきでお知らせしてくれるそうだ。
こうして、はじめての林檎狩りは終わった。満足。