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W-B とある清掃員の日記/19

僕はメイドカフェからの帰りに手直の菓子屋に行ってみる事にした。

御八堂。
昔からワールドブルー株式会社の御用達で、創業100年の老舗だ。

店中全体は土間になっており至る所に模型の和菓子が置かれたショーケースがあった。

「いらっしゃーい。」

カウンターの婆さんの元気そうな声には目もくれず、僕は和菓子が並べられているショーケースの前に立った。

羊羹、八ツ橋、和三盆、金平糖、カステラ.........。地球上の和菓子は全てこの菓子屋で揃うだろう。
戦前から伝授された秘密のレシピを使って作られた和菓子達はまさに芸術作品だった。

「どら焼きがオススメだよ。」
婆さんが言った。
「この間、お若い方が嬉しそうに買って行ったよ。」

僕は反射的にどら焼きを選ぶと、会計の為にカウンターの方に行った。

婆さんはどら焼きを袋に入れるとバーコードをスキャナーでスキャンした。

「はい。2,700円だね。」

「高!!!!」
思わず叫んでしまった。

当然だ。2,700円ならビッグ〇ックを食べれる。
幸いワールドブルー社はキチンと清掃員にも一定の給料はくれるから払えない事はないが、そりゃあワールドブルー社以外に御用達がいない訳だ。

「最近は材料費が高騰していてね。」
婆さんはどら焼きを丁寧に包み紙に包んだ。
その手捌きは早いが、どら焼きの形を崩さないように折り目を正確に合わせていた。
「若い人が中々買いに来ないからアンタが来て嬉しいよ。」

僕は何とも言えない気持ちで御八堂後にした。

どら焼きはすぐ食べるつもりだったが勿体無い気がして、居住棟に戻ってから食べる事にした。

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こんにちは、Seiです。
我がスパイ君を描いてみました😃。
清書する時間が無かったので荒いのはご了承下さい😅。

スパイ君

描いてみて思ったことは「いやww、いかつすぎだろwwww。」でした。
多分読者の皆様も同じ事を思っていると思います。
まあ、これはあくまで作者のスケッチなので気にしないで下さい😅。




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