W-B とある清掃員の日記/11
香子先輩どうしているかな.......。
僕はオフィスの窓を雑巾で拭いていた。
実のところ、マッシュルームは始めは僕じゃなくて香子先輩にこの“仕事”を頼むつもりだったらしい。
しかし香子先輩は別の件があって、つい先週ある男と一緒にスットン共和国に飛んでしまった。
だから僕にこの“仕事”は任されたのだ。
あの男.......誰だっけ?うーん。
そうそう、根来内 弾。企業スパイ界でも話題になっている奴だ。
何せ殺し屋なのに社会的地位を殺すって言ったり、メイドカフェで依頼者と会ったり.....。
まあ変わり者って事かな?
そんな奴が香子先輩のパートになるって聞いた時は流石の僕でも驚いた。
ー先輩?正気ですか?
ー大丈夫だ。お前はお前の仕事に集中しろ。
そう先輩は言ってくれた。
正直言って香子先輩はシリアスな人だ。
だけど僕は香子先輩の様な優しい人に恵まれた事がなかった。