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W-B とある清掃員の日記/9

裏路地はいつもジメジメしている。

しかしそんな暗い中、パッと明るい店があった。
それが喫茶店 花だ。
(追伸:ここのオムライスは格別に美味いらしい。一連の事が終わったら食べに行きたい。)

僕が喫茶店に着いた時には、客もまばらな時間帯だった。

やはりこんな時間にカフェに来る奴なんか居ないのか、店主からは怪訝な目で見られた。

昨日の席に座ると僕は、机の下を探った。

もちろん盗聴器は無かった。

「注文は何よん?」

高校生くらいのバイトが伝票片手に僕に話しかけた。

「あ、コーヒーを一つ。」

「他にはあるかよん?」

ここで僕は少し考えて

「昨日、三十代ぐらいの人がここにバイトに来ませんでした?」

カウンターの向こうの店主と紫色の髪の毛のバイトがキッと僕の方をみた。

これは........まずいパターンだな。

「いいえ、来なかったよん。」

「分かった、ありがとう。じゃあ僕は、用事が出来たからこれで.....。」

そう言うと僕は足早に喫茶店 花を立ち去った。




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