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W-B アナザー/P3
「まあ、かけろ。話はそれからだ。」
アディは椅子に腰掛けた。
どうやらこのレジスタンスはキャラバンのように簡単に移動できるキャンプを持っているようだ。
「わるいな。」
ノイニコフは何の警戒心も抱かずにアディの前の椅子に腰掛けた。しかし僕は立ったままでいる事にした。コイツらがW-BやWITGの仲間の可能性もあるからだ。
「さて。」
アディは口を開いた。
「何で日本人とロシア人がこんな秘境に来ているんだ?」
僕達は顔を見合わせた。
「私はそれを聞きたい。」
そういうと彼女は僕とノイニコフを見つめた。
「................................俺達はここに連れてこられたんだ。」
ノイニコフが口を開いた。
「イチロウは殺人。俺は国家反逆罪で家族をニホンに置いて来た。」
「その家族は安否は?」
アディが聞いた。
「嫁は長男産んでからポックリいっちまった。そんで男手1人で息子を育てていたんだがアイツがまだ十ヶ月の時に逃げる事になって大学の時のミゲルっつう友人の所に預けといたんだ。それからあってねえ。」