【争議体験談 vol. 2 スーパー】
学生ユニオン争議体験談では、学生ユニオンメンバーが経験した争議をご紹介します。第2弾では、大手スーパーで起きた労働問題に対して大学生組合員Bさんが現在も行っている団体交渉に関してです。
争議の経緯
私は北関東で広く展開している大手スーパーマーケット、ベイシアのレジで働いている学生アルバイトです。ベイシアでは2021年から2年以上働き続けています。初めは週6日8hのシフトで働いていたため、フルタイムパートと同じくらい働いていました。
入社から8ヶ月ほど経った2021年の年末の期間のシフトを毎年恒例の親族との旅行があるため、働けないことを社員に伝えると「シフトを入れないと1カ月間、働かせないよ」「みんな入れるんだからBさんだけ入れないなんて不平等でしょ」とシフト強要を受けました。当時は生活費をベイシアのアルバイトで稼いでいたこともあり、1カ月分の収入が0になることを考えるとどうしても逆らうことができず、泣く泣く年末年始に働くことを承諾してしまいました。
組合へ加入
しかしどうしても働きたくなかったため、組合への加入を決意しました。会社に組合加入を伝えるのと同時に年末年始のシフトの取り消しを要求すると、会社はすぐに応じ、年末年始は出勤しなくて良いことになりました。これを機に以前から不満に思っていたことを、要求事項として団体交渉で申し入れました。
要求事項
➀シフト強要の再発防止
➁時給の引き上げ(当時956円)
➂繁忙期(年末年始、GW、お盆)の加給
➃レジ従業員のためのイス設置
➄制服の支給(ズボンと靴)
➅髪色の自由化
➆未払いの有給休暇の賃金支払い
➇学業優先のシフト調整
⑨1カ月の改装工事中の休業手当
これまでに獲得した要求
①シフト強要の再発防止の約束
②非正規全従業員(約9千人)の賃上げ:平均5.44%
⑦未払いの有給休暇の賃金支払い
⑧学業優先のシフト調整(「学校の用事で出られません」と伝えるとほとんどの場合出勤しなくてよくなりました)
⑨改装工事中の休業手当(店舗の全アルバイト従業員)
勝ち取ることのできた要求の中には魅力的なものもありますが、レジのイス設置や繁忙期の加給、制服の支給、髪色の自由化などの大きな要求項目は未だに実現されていません。働きやすい環境を目指して、まだまだ交渉を続けていきます。
組合加入を!
職場でトラブルがあった時に、会社と対等な立場で話し合いができるのが、労働組合です。悪質な会社に対して労働環境を改善させるための交渉を、正規・非正規、国籍、ジェンダーなどを問わず、1人から行うことができる首都圏青年ユニオンに、ぜひご加入ください。