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#19 ホテル暮らしの日記 : 罪と悪
先日、ふとYouTubeを開いた時、トップページに無期懲役囚を追ったドキュメンタリーが表示されていた。
動画を見ると、囚人たちは塀の中で体を動かし、与えられた食べ物を規律に従って食し、それほど不自由のない生活を送っているように見えた。
しかし彼らは彼らにしか分からない苦痛を味わっているに違いない。
横にいるのは人殺しかも知れない。
全ての行動が監視・管理されている。
仮に釈放されたとして、その
#18 ホテル暮らしの日記:湿り気
なんかムカムカするので一応吐き出してみる。
私はかねてよりくすぶった状態が続いている。というより、くすぶってさえいない。くすぶっているのなら、火がついているだけいい。
私には火がついていない、火をつけたいのにつかないのだ。いくら擦っても火さえ出ない出来損ないのマッチは、早く燃え盛って、刹那的でいいからその役目を果たしたいと願っている。
だがしかし、自分に何ができるのかも、何がしたいのかも訳が
#17 ホテル暮らしの日記 : 男と弱さ
「男」として生きる上で宿命づけられた「弱さへのコンプレックス」というのがあると思う。
(女性にはまた別の悩みがあるだろうが)
うつ病を例に出すとすると、女性のうつ病患者は男性の約2倍だが、うつ病によって死を選ぶこととなる男性の数は女性の約2倍だ。
「男」は、弱さを受け入れることがどうしても難しいいきものであるということは明白だろう。これは男性の精神性の問題だけではなく、社会構造によって生じる事象
#14 ホテル暮らしの日記 : 妄想
多元宇宙論だとか、パラレルワールドだのと言う話がある。
こういう話題が出る時には、たとえば自分らにはない次元はどういうものだろうだとか、一個上の次元について思いを馳せる場合が多いが、二次元に関してはそれほど議論されていないように思う。「紙に書いた絵は奥行きが存在しない」それで終わり、といった感じだ。
ただ、もし我々自身が二次元的な世界に置かれたとしたらどうなるんだろう。ネットで調べてみると、「ア
#13 ホテル暮らしの日記 : 舵
ホテル暮らしの日記と題しておきながら、もうホテル暮らしをしていない私がお送りします。
先日、日本酒バーの初開店を終えた。反省点があるので軽くまとめておこうと思う。
1.「日本酒バー」である意義はあるか?
私は以前動画で、「自分が店を出す理由」
そしてそれが「日本酒である理由」を語った。
確かに理論は通っているし、あの話に嘘はない。
しかし、それで誰を幸せにできるかをあまりにおざなりにしていた
#6 ホテル暮らしの日記:「らしさ」
京都に行ったときに私は一つの仮説を立てた。
【「おはようございます」は関西弁(京都弁?)】
というものだ。
「早う」という言い回しを関西の方はすると思うが、それがおはようございますの語源になっているのでは?と考えたのだ。
つまり、かつて国の中枢が置かれていた京都の周辺で発生した言葉で、その方言が今になっても朝の挨拶の定型文として違和感なく定着しているのだろうと。
しかし、調べてみたところ
#5 ホテル暮らしの日記:哲学
ホテル暮らしをしていて、圧倒的に1人の時間が増えた。
異郷の地でたった1人。休みの日なんかは街をずっと歩き回って、虫を観察したり人の往来を見つめたりしている。なんだか、小学生の頃に戻ったような気分がする。
あの頃はそれぞれに宇宙があった。
ある友人は漫画を毎日書いていた。朝、みんなが登校すると、彼の周りに3人くらいの人が集まる。そして毎日1話ずつ彼がストーリーを進めていくのだ。
別にたいし
#4 ホテル暮らしの日記:あったかいんだから
今日はクマバチを野に返した。
京都市にある河原町通りという道路を歩いていると、足元でもぞもぞしてる黒い塊を見つけた。近づいてみると弱ったクマバチだった。
彼の複眼の間を見ると、白いデルタがあったのでオスだと判明。針を持つのは働きバチのメスのみ。
コンクリートの上でもがきながらウロウロ掴む場所を探しているので、指に捕まらせてあげた。
弱い力でありながらも、足先に備えられた爪でがっちりと私の皮
#3 ホテル暮らしの日記:何気ない一日
なんの変哲もない一日だったが、例によって一万歩くらい散歩していたら「人生は短い」という言葉に関してなんとなく理解が及んだような気がしたから、残しておこうと思う。
よく人は言う。「人生は短い」と。
しかしこれは感覚的な問題で、実際のところは「長いと感じられるほど、出来事を映像として記憶しておけない」だけなのだと思う。
これは河原でイチャイチャしているカップルを見てふと思ったことなのだ。
男性