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久しぶりに東京のアートフェアに参加して嬉しかったこと。ー EAST EAST 東京2023 ー
楽しかったけど、自分が楽しかっただけでは楽しい場はなくなってしまう時代。だからどんどん訪れよう。
コロナ禍からコロナ2019に確変するらしい日本(それにしてもダサいネーミングだ)、東京はとても寒い日と暖かい日が交錯している。これが三寒四温というものかと実感しながら過ごす日々。久しぶりにアートフェアに参加した。EAST EAST 東京2023である。
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アートフェアを簡単に説明するとこんな感じだろうか。
「アートを売ってるギャラリーが一つの場所に集結して「うちはこんなアート売ってますよ」というプロモーションをする展示会」
アートを売ってるというと「渋谷や銀座でイルカの絵を売ってますよって部屋に連れ込まれて支払うまで出てこれない」というイメージを持つ人もいるのではないか。ラッセンは何もしてないっていうのにね。実際のアートフェアではそんなことはない。実際のフェアはあくまで展示会。展示会なので買わなきゃいけない人に超冷たいってことはない。
私は現代で、しかも攻めてる表現をするストリート系の作家の作品が好きなので今回のこのフェアをとても楽しみにしていた。同時に、特に私は本帰国してから高齢の親の介護と大学進学を控えた息子の為にも「体調を崩すわけにはいかん」。なので夜、お酒が入るような場所を意識して避けている。しかし、私の好きな表現をする作家さんは夜のパフォーマンスが多い。なので作家の作品を昼間見れるのはとてもありがたい。
東京のアートシーンから離れて久しいし、もう単なる「アート好きおばさん」でしかないので内覧会とか行く身分ではないことは重々わかってる。なので今回は一般公開の時間帯にとても新鮮な気持ちで行ったんだけど、すごく、すごく気持ちよかった。
自分のTwitterだけど貼っちゃう。
#EASTEAST_TOKYO 2023の初日に訪問。エッジの効いたかっこよきアートが多いのにアートフェアにありがちな内輪で固まる感が少ない丁寧な接客に好感度爆上がり。そして値段も手に届くものもあるし何しろほんまにかっこいい。東京のストリート系アートを体感出来るので是非。科学技術館で2月19日迄。 pic.twitter.com/FBRKdSQ1qh
— Seina (@Seina) February 17, 2023
特に元気な感じの若い人が多かったのが本当に良かったなあ。売れ行きに関しては差があるみたいだけどまずは人が集まることが大事。そして集まった人への接客の親切さがとてもよかった。
今回楽しかったギャラリーと作品を徒然と。
いつもお世話になってるSnow contemporary。ここの展示は本当にいつもかっこいい。
デカメロンもすごくよかった。MESさんのパフォーマンスを実際に見れたのもすごく貴重な体験だった。キュレーションを担当してる黒瀧 紀代士さんとお話しできたの嬉しかったです。また、歌舞伎町にも行かなきゃだわ!
Ritsuki Fujisaki Galleryの展示もすごくよかったし、スタッフさんの説明もすごくよかった。そしてそこで紹介して頂いた山本れいらさんの作品はとても印象に残ったし、ご本人とのTwitterで繋がれて楽しかったなあ。
EASTEAST_
— Ritsuki Fujisaki Gallery (@RFGallery__) February 18, 2023
Taka Kono and YAMAMOTO Layla
Visit us by tomorrow. pic.twitter.com/EDmUuEIhoG
そしてこのフェアの本当によかったところは「接客がとても気持ち良かった」こと。このようなフェアで感じがちな「内輪感」を感じることなく「俺の、あたしが気に入ってる「イケてる」をみてよ。イケてるっしょ?」というとてもストリートな感じがすごくよかった。また見に行きたい!って思わせてくれるような対応は来場者としては本当にテンション上がるのではないかな。
(アートに限った話ではないと思うのだけど)コロナや戦争に慣れてしまうという「サバイバルに慣れて共に生きるというハードゲーな昨今、これから文化芸術は超富裕とストリートの二極化が進むことは避けられない。経済的、環境的分断が各面同時多発の昨今、中間層はネットでバズった展覧会にインスタ映えを求めて出向くこと大半になる。あたしはそれではあまりに寂しいと思う。
ストリートカルチャーはストリートだからこそ活性される。パンクシーの作品はオークションに拉致られた途端に正気が半減したように見えるように。ストリートアートの熱気を失わない為には、ストリートの熱を絶やさないように人がストリートに行くしかない。
このようなイベントを継続させる為には「経済的な成功」と「新しい層の導入」が不可欠。もちろん両方が同時に達成出来れば最高なんでしょうけどこのご時世そう簡単な話ではない。まずはさまざまな人がストリートに行かなきゃ。
それにしてもこのようなイベントのライブ感を感じさせる投稿が見つけにくいことが気になる。タグが事前に統一されたらよかったのにね。なんでもネットの昨今、ネットで見かけた投稿から「行ってみよう」的な活動が始まるのにタグが微妙にばらけてるとうまく見つけられない。今は情報過多なのかもしれないけど、でも、そんな内輪だけで「俺たちって超クール!」って言ってるだけじゃ、そのクールな場は無くなってしまうと思うのだよ。実際に無くなっていった場をたくさん見てきた私は声を大にして言いたい。
「経済と人を回さなきゃその場所は残らない」
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こちらのフェア、2月19日日曜日まで開催しています。カフェもとても充実していたし、通路も広めだったし、導線も一方通行のみではないので家族連れでも楽しめると思う。北の丸公園を散策する気分でアートに触れてみるのも楽しいし、予定がない人はぜひ訪れてみてほしい。