服に無頓着な私がファッションショーのチームに参加して分かったこと
ファッションはアートであり、アートは表現である。表現を第三者がカテゴライズすることは違うってこと。
さて、本当に久しぶりのニューヨーク。
私自身、19歳の時に初めてニューヨークを訪れて街に恋してしまったので、その恋の気持ちが再燃したらどうしようって正直結構ビビってました。
この気持ちを発見できたのは本当に良い体験でした。
では、私はなぜ親子でニューヨークへ行ったのか。それは京都大学の土佐尚子教授のプロジェクトのお手伝いのためです。
そして私と実際話したことがある方はよくご存知だと思いますが、私、どう見ても「おしゃれさん」ではございません。服は基本的にシンプルですし、高価なブランドも特に興味がございません。そんな私がファッションショーのお手伝いをさせて頂く、というのはとても教務深い体験でした。
このnoteでは内側から見たファッションショーについて個人的な体験と思いを記したいと思います。
1:案外みんな自分でやる
ファッションショーというのは外から見てるとスタッフって何やるのだろう?と思っていたのですが案外全部じぶんたちでやる、ってのはとても意外でした。アイロンかけとかやらせて頂いたのですがちょっと上手くなった気がします。そして服の持ち込みなども自分で行います。今回私は記録のほかにフィッティングのお手伝いも担当したのでMYアイロン台&MYアイロン(これはマジで私の愛用スチームアイロン)を持参しました。
ちなみに今回のファッションショーの映像、音楽ももちろん土佐尚子研究室(通称土佐研)のオリジナル。いきなりファッションショーとは全く関係がない飛行機の無重力の映像からスタート。そして音楽は、ビバルディの四季から春・夏の曲をテクノ風に京大オーケストラの元マネージャーの瀧川君のオリジナル。
ジュエリーはニューヨーク在住のデザイナー、Mariko Dozonoさんのオリジナル。こちらも前日からのフィッティング、白熱でございました。
まさに「全部自分たちでやるのだな」と驚かされました。(下記の動画をご参照ください)
2:決まったことはすぐ変わる
ショーの進行をどうするか、というのは事前に届出を出します。そしてその日に参加するモデルさんは当日に顔合わせします。事前にイメージは提出していますが、実際に会ってそのモデルさんに似合う服、アクセサリーなどを順次変更していかなくてはいけません。最初に決めていた資料は資料。現場は現場です。そこからの変更に動揺してはなりません。服もアクセサリーもどんどん変化していきます。このどんどん変わる速さに最初ちょとびっくりしてしまいました。
3:綺麗な人は親切だ
個人的な偏見と言われたらその通りなのですが、私はモデルさんをするような方は皆様とてもプライドが高い人だと思ってました。しかし今回のショーに参加しているモデルさんたちは本当に皆様優しくていい人ばかり。私のようなドタバタしてるスタッフにも本当に優しい。撮影でアタフタしてる私に「Hi☺️」と声をかけて下さるし、終わった後ハイタッチしてくださったり。通訳、アテンドをやっていた息子氏とインスタ交換してくれたモデルさんもいました(アテンドさせて頂いたVIPのお隣に座っていた叔母さまがそのモデルさん(男子)のお母様で息子氏と同世代だった)。
本当に皆様優しくて、美しい人って優しい。。ってしみじみ感じました。私も人に優しい人でありたいって思いました。
4:常に求めるのが表現者である
今回のショーのモデルさんの中にとても著名な方Elton ILIRJANI(エルトン・イリジアーニ)さんがおられました。彼はモデルで起業家インフルエンサーとしても有名でLGBTQIA+の雇用の平等を目指して積極的に活動されている方です。
エルトン・イリジアーニさんはモデルとして世界各国のショーに参加されてる方。どんな方なんだろう?と正直ドキドキでしたが、実際はとても気さくな素敵な方でした。そして彼がすごいなって思ったのはデザイナーである土佐先生に「私にアクションのリクエストは?」という会話があったこと。そう、モデルさんというのはウォーキングも大事だけどウォーキングをすることで「表現する」ことも大事。どう表現するんだ?という問いかけはとても刺激的でした。
今回エルトンさんが着用した衣装は歌舞伎のイメージがあったので歌舞伎のポーズを彼に教えて!と土佐先生から私にいきなりフリが来ました。なのではい、積極的に頑張りました。
同時に他のモデルさんには忍者のポーズなどを教えたりしました。モデルさんって歩くのも大事ですが演じるのも大事なんですね。
ちなみに私、ランナウェイというものに初めて遭遇しました。思った以上に長いものなんですね。そしてその周囲を囲むファッション関係、インフルエンサー関係の皆様のファッショナブルなこと。何より驚いたのはその日、朝の気温は12度とかで昼が25度前後、そして会場は冷房ガンガン。つまり場所によって温度差がすごく激しいのに「皆様、汗も鳥肌もない」。
「ファッションってのは我慢なんですよ」という格言、どなたかが言ったのか失念してしまいましたがまさに「ファッション業界で生き抜ける方は「我慢できるんだ」と実感致しました。
5:表現はカテゴライズするものではない
今回、ファッションショーという初めての表現の場に遭遇して私が感じたこと。それは「表現を他者が勝手にカテゴライズする(分類する)のは違うんじゃないか?」ということでした。ファッションはアートじゃないとか、そういう意見は本当に一部分しか見ていないのでは?という気がしました。
土佐先生はメディアアートという分野からファッションの世界に挑戦しているわけですが、これをメディアアートだ、ファッションだ、」と分類することがそもそも違うのではないか。表現したい情熱があるのだから、それがその時々、どのような着地点になってもそれは「表現」であり、「ART」であると。
今後土佐先生はファッションウィークの挑戦はもちろん継続されますが、ファッションだけではなくメディアアーティストとしてご自身の表現したいアートを表現する活動を継続されていくとのこと、その中の1つの場面が「ファッション」である、というとてもシンプルなお話をされていました。
日本の女性のメディアアーティストがこのような活動を継続していることに大きな驚きとそして尊敬の念を抱かずにはいられません。今回この活動を詳細にまとめるプロジェクトを考えております。この功績と未来を次の日本人、女性アーティストに伝えていきたいと思います。
今回のNWFW、よみうりテレビさんが密着取材されていました。2024年10月12日の土曜日の午前8時、(関東では)日本テレビ系でテレビ放映予定だそうです。