【2/20(木)】坂口恭平×有賀薫 公開cook対談「料理とは何か」 を絶対観るべき理由
先ほどまでマレーシアの高速道路を250キロほど高速バスで移動してきた。マレーシアのバス移動はかなり快適。でも春節で大渋滞だったので失神しそうだったのだけど思わず携帯を観て「おおお」と声をあげた。
この対談、どういう形でもいいから絶対に味わった方がいい。私もこの日はなんとしてでもオンライン中継を観ようと思う。
もし、あなたが「最近疲れたな」「最近悲しいな」「最近の自分が嫌いだな」とかネガティブな気持ちが増えたと思うのなら、この2人の対談は、絶対に聞くべきだ。その理由を自分なりに整理したいと思う。
ファブ5をご存知だろうか。ちょっと前に日本のシリーズも放映されたリアリティ番組である。5つのプロフェッショナルを持ったクイアたち(私のお気に入りは料理のアントニ❤️)が自信を失ったヒーローを様々なプロフェッショナルなテクニックを伝授しながら、傷ついたヒーローに寄り添いながら彼らの生活を変えていく番組。本当に元気をもらえる。私、去年からアップルパイ4回焼いたよ。
坂口さんと、有賀さん。彼らには「クイア・アイ」と同じ方向のエネルギーを感じるのだ。彼らの言葉や行動で、自分を前よりか少しだけ愛せるようになる。私は坂口恭平さんは「まとまらない人 坂口恭平が語る坂口恭平」を読んで「ひとりファブ説」をずっと唱えている。
坂口恭平さんはアートブロガーの私は美術家として何回か展覧会にも伺った。「独立国家の作り方」は読みやすく、とても軽快なストーリーだ。
しかし、私が彼の文章に胸ぐらを掴まれたのは。この本。
世の中の人間が「自分で料理を作ることが苦にならない人」「自分で料理を作ることが苦しい人」2種類しかないとしたら、私は明らかに「自分で料理を作ることが苦にならない人」である。料理を作ることで自分の不得手なコミュニケーションを補ったりすることに抵抗がない。でも、その行動は女性として、人間としてどうなんだという人も当然いる。わかる。だって人間が2種類しかいないとしたら明らかに私の行為は見てて嫌だろう。私は考え込んでしまう。私が料理を作ることは誰かの意思の足を引っ張っているのか?と。そんな社交的コミュ障の堂々巡り思考を
「でも、美味しいもの作れるって最高じゃん」
ってこの本のコラム部分は言い切ってくれる。行為についての他人の批評など関係ない。あなたが美味しく食べてるんでしょ?それでいいじゃないと。
何を難しく考えていたのだろう。
正直、料理の本を読んで初めて「泣いた」。
そして有賀薫さん。クリエイティブな視点を持ちながらもいつも私たち作り手の視点を考えてくれる料理家さん。
有賀さんのnoteを拝見していつも思うのは「料理をして食べることで、私は生きていけるのだ」ということである。私は今、外国暮らしで「絶対に不摂生から病気になるわけにはいかない」という恐怖感と共に生きている。なので私は「死なないために料理を作っている。」
このような視点でいつも料理を作っていた私に肩の力を抜いていいんじゃない?と文章で優しく話してくれるような感じ。まさに、美味しいスープを飲みながら。
お二人の接点はここら辺からであろうか。
私自身、この「作る、食べる、そして生きる」をシンプルに楽しもうというやりとりは私の中でクイア・アイを観て感じた心地よい心の揺さぶりに近いものがある。
ちなみにクイア・アイのメンバーはそれぞれの自伝などを拝見すると自己との葛藤で非常に苦しんだ経緯がある。
自己の苦しみに向き合い、共に生きてきた故の優しさはなんて心が震えるんだろう。
お二人の対談が楽しみでならない。この対談を聞いたら、絶対に鍋でコメを炊いて焼きキャベツのスープを作りたくなるだろう。
飲みきれなかったらスープジャーに入れるといい。対談の言葉を反芻しながら温かみを体の中から味わってほしい。
本当に対談の場に行ける人が羨ましい。どうぞ楽しんでください。