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WHITE HOUSEに初潜入して「嘘をつかず今を尊厳を持って伝える」ことの大切さを知った夜の記録。


自分もそうありたいし、そういう世界を大事にしたい。


日本に本帰国した後、乳がんの通院を再開しようとしてるのだけど、本当に色々面倒な感じになっていて結構参っていた。その日も私は大病院の待合室でぼけっと椅子に座っていた。(でも最近の大病院は本当に快適になった。通院の度にびっくりしてる)。

そんなmindの中、私にChim↑Pom from Smappa!Groupの卯城くんがこんな連絡をくれた。

「おかやんの個展、会期は終わっちゃったけど今日撮影をするんで、もし時間があったら今日の夕方ホワイトハウスに来ませんか」


そう、先日Chim↑Pom from Smappa!Groupのおかやんの個展を見逃したことを知って、私たちは残念がっていた。それを知った卯城君が知って個展を見れる環境を作ってくれたのだ。
思わず待合の椅子から立ち上がった。え!見れるの!!!通院に同行してくれてる息子に伝えると息子も思わず立ち上がった。なぜなら私たちはChim↑Pom from Smappa!Groupが、そしておかやんが大好きだからだ。


病院の診察、手続きをテキパキと済まし、その日行く予定だった実母の家に寄って用事と挨拶を済まし、横浜からホワイトハウスのある新大久保に向かった。


このChim↑Pom from Smappa!Group主催の新しいアートスペース「WHITE HOUSE」。

1960年、日本のアートシーンを語る上で欠かすことのできない美術家吉村益信、篠原有司男、赤瀬川源平らの前衛芸術グループ「ネオ・ダダイズム・オルガナイザーズ」の活動拠点とした新宿ホワイトハウスが元になってる

引用:「ノンリスクだと面白いことができない」——パスポート制のアートスペースWHITEHOUSEは鑑賞者と共犯関係を結ぶ


情報を行く途中でググって学ぶ。


季節は11月も下旬。午後6時前だというのに周囲は真っ暗。卯城くん、早い時間に来れない可能性も十分あるよなあ、今夜は息子のオンライン授業があるからある程度の時間には帰らなきゃいけないんだよなあと思いながら移動、そして新大久保を歩く。新大久保という土地に初めてきたし、見れなくてもまあいいかなと周囲を見回す。韓国式のお店、アイドルグッズ、化粧品のお店がたくさん。私は何回かチャレンジしたけど韓流にハマれなかったので正直スターの顔ぶれはわからない。でもRMさんが薦めていたブックリストがすごく気に入ってしまったので韓国現代文学がすごく好き。

RMさんはアートの世界ですごく影響力があるので要チェックしていきたい、ちなみに私のお気に入りはこの本。


話がそれた。元に戻す。


新大久保をしばらく歩いて路地を曲がったところにホワイトハウス発見。暗いのでホワイトかどうかいまいちわからない。

ちなみに、誰もいない。卯城君、来るかな、30分待って来なかったら諦めるかと思いながら連絡を入れたら「あと10分で行けるから」とちゃんと連絡をくれた。新宿能舞台の展示がある昨今、忙しい状況のはずなのにありがたい。


ちなみにおかやんは来なかった。残念。でもおかやんだから。息子は最近おばあちゃんの家に行く際、みかんをもらうことが大好き。差し入れの崎陽軒の他におばあちゃんの家でもらったみかんをおかやんに渡したかった!と残念がっていた。(ということは、「今後おかやんに会う可能性がある時はみかん持ってなきゃいけないってことか!」と興奮していたのでそこを盛り上がるんだ😅と微笑ましく見守った)。そんな中、卯城君登場。


WHITE HOUSEに初めて侵入する。ノリノリである。



そこには「ロジャー・ジャヌワタの初個展」が展示されていた。個展のタイトルは「紳士服とダンスしませんか?」。あれ、おかやんは?と思うわけだがどうもおかやんはバリで「ロジャー・ジャヌワタ」という俳優に間違えられまくったそうで。ちなみに検索しても探せないんだけど、まあそこで誰々って騒ぐのは野暮ってこと。そしてそこには

「名前とかちっちゃい事ににこだわるな、そこにあるものに向き合え!」


っと自己暗示をかけていきたいのだけどそれすら足カックンされるような
おかやんのMADなクレイジーな世界があった。あーほんまに最高やわって心底笑顔になった。



ちなみによく見るとめっちゃ丁寧な直線を巡る筆遣いとか、鉛筆のラインとかなんか狂気を感じるのもまた刺激的。確かに。20年以上も活動実績があるはずなのに初個展というのもイカれていていい。そして説明を受ければ受けるほどなんかトリップできるようなこの感覚。
にんげんレストランでおかやんに「飛び降り自殺のビルのツアーをしようか?」と言われた時を思い出したりした。

考えてみると、私たちは新宿は Chim↑Pom from Smappa!Group絡みで来ること多い。
都市とアーティストがリンクするのは興味深い。Chim↑Pom from Smappa!Groupとは気がつけばもう10年以上作品を拝見させてもらっている。そして作品拝見だけじゃなく息子もほんまにやさしくしてもらっている。ありがたいことだ。


今日、おかやんの表現の世界を実際に覗き見させてもらい何がわかったかって聞かれてもおそらく全然わかってないのだけどそんな事どうでもええ、こ
の場にいけてよかった!そういう気持ちを満喫できて本当によかった。


ちなみに新宿能舞台を鑑賞した時のnoteはこちら。


この特別訪問は本当に楽しかった。そして息子もとても楽しんでいた。本当に気持ちがよかった。

あまりに気持ちよかったのでどうしてこんなに気持ち良いのかと考えてみた。1つの仮説を立ててみた。それは

「私たちが今、求めている「嘘をつかず今を伝える」姿勢に出会えたから」


コロナ禍が次のフェーズに向かっている(私は終わったとは思わない。だってインフルエンザだって終わってないでしょ)昨今、状況は常に変化している。同時に変化故、仕方がないことなのかもしれないけど「辻褄合ってねえじゃん」的なことがちょっと多すぎではないかと感じ続けている。更に私は16歳の息子がいる、彼のティーンエイジャー、そして受験の時期がちょうどコロナ禍に当たった。息子、そして彼の友人たちは人生のとても重要な時期を彼は凄まじく制限された状況で過ごした。私はそのような状況になった息子と息子の友人たちが不憫でならないと感じている。でも彼の本心はわからない。でも私はこの時期の若者の想いを勝手に想像し、落ち込み、「なんでだよ」的な憤りを常に感じていたわけだ。


息子は無事に卒業し、日本に本帰国。そして日本の若者も特別な数年間を過ごしていたことを知る。自分達はロックダウンくらったんだ!というマウンティングしてる場合ではなかった。世界中の若者がこの数年間、この時期でしか得られなかったことを体験出来なかった。大人が決めた流れに身を任せるかなかった。

このPV、何度見ても泣ける。


「俺たちの生活の楽しみを、行動を、そして目標を大人は勝手に取り上げる。そして大人はその理由を説明してくれないし、自分達は自分達ができない行動を好き勝手にやってるように見える。大人達にはできて自分達はなぜできないのか、説明してくれない」


というモヤモヤ感に皆埋もれすぎていることを改めて感じている。質問、疑問に答えない、なあなあで済ます。そしてごまかす。
そういうことがこの2年半、本当に本当に多かったのではないだろうか。意見を聞かない、子供扱いする、聞き流す。別に状況が変わってもいい、わからない部分があってもいい。なぜ、今を自分の言葉で話してくれないんだろう?という疑問を感じ続けてきた。


特に、決める側の人が「つべこべ言わずいうことを聞け」という様をもう流せない自分に気がついた。以前の私は「そういうこともある」と流した部分が多かった。なぜならまさに昭和式の日本社会がそうだったから。一部の人(主に若者でない男性)がルールを決めて、そのルールを問答無用で守れと言われる世の中だった。そして当時弱者だった私のような女性はそういう文化を流さないと生きていけなかった。

でも時代は、考え方は確実に変わってきたのだ。

いいから言うことを聞け、指示を変える際に理由を伝えないのはもう通用しない。尊厳を感じられない態度は明確に抗議される。
そしてちゃんと伝える人も確実に増えてきた。尊厳を感じさせる態度を意識する人も確実に増えた。
そして更に重要なのは「自分に対しての尊厳を感じられない態度に抗議の姿勢を表していい、または理解を得るための労力が自分にないのなら離れていい」という考え方が出てきたことだ。


今の若い人はとっくに気がついていたのかもしれない。でも私はやっと気がつけたのかもしれない。この疑問をもっと言葉にしていいのだ。(ごめんなさい私、やっと気がつけた)


なぜ、物事を決める力を持った人は今を自分の言葉で伝えてくれないのか?


いくつも感じる矛盾とモヤモヤ感。このモヤモヤ感をクリアにしてくれるのは実際の行動だ。声を聞く、その声から出来ることを伝える、そして今を伝えて実行に移す。声が全部叶えられなくてもいい。大事なことは「今を自分の言葉で伝えること、そのプロセスを実行すること」


見逃した個展を拝見する機会を作ってくれた。これはとても個人的で小さなことなんだけど、でもこの体験から自分が感じてるモヤモヤが少し可視化できた気がした。

見逃した個展を拝見できたこと、すごく嬉しかった。同時に今を伝える、約束を守る、そして実行する。つまり「嘘をつかず今を尊厳を持って伝える」を実行する人がいかにかっこいいかを実感できました
Chim↑Pom from Smappa!Groupの卯城君、本当にありがとうございました。私も、息子も感激しました。



「嘘をつかず今を尊厳を持って伝える」。これを目指したいし、これを実行できる世界で生きていきたい。