バレンタインデーの思い出は、姉のチョコタルト
中学生のころ
バレンタインの日は、いつも期末テストでした。
「なんでこんな日に限ってテスト勉強?」
とブツブツいいながら勉強しているのに
キッチンでは、8つ歳の離れた姉がバレンタイン特集のお料理雑誌を見ながら、ある年はチョコレートタルトを作っていました。
私の目からは
8才年上の姉は、大人でキラキラしていて
憧れの存在でした。
そんな姉は、最高にイカしたチョコタルトに違いないと思っていると
プチタルトの中に生チョコが入り、
ココアが振りかけられ
おまけに銀色のアラザンが散りばめられた
可愛くて
大人なプチチョコタルトでした。
こんなの作れるなんていいなぁ、なんて思っていると
「タカノリ君の分もどうぞ」
そう言って透明な袋に入れて、
丁寧にラッピングされたチョコタルトを持たせてくれました。
今思うと、人のフンドシで相撲をとってんじゃないよ!状態ですが、あの時は、「お姉ちゃん女神♡」としか思えず、手作りチョコとして使わせて頂きました。
それよりも
この大人びた感じ、きっとドキッとされるに違いない!
とまで思い、ドキドキとワクワクの中
テストが終わり、
体育館のウラでこっそり渡すと
ありがとう!とあっけなく去って行かれました。
すっごくビックリされると思ったし、漫画や本では、食べるところまでがセットだと思い込んでいた私はひどくガッカリ
「お願い、中身を一緒に見てって言えんかった。最悪」
といち早く報告したい姉は、彼氏と会ってなかなか帰宅しない…というジタバタ劇。
結局タカノリ君とは次の学年になると
タカノリ君の妹が私と同じ部活に入ってきて、ややこしいし、環境の変化や、なんだかんだで自然消滅…。
それよりも
姉がチョコタルトを渡したそのお相手は
数年後
姉の夫で、私の義理の兄となりました。
ひょっとしたら姉はもう覚えてないかもしれないけど
バレンタインの思い出No.1は、姉のチョコタルトしかないです。
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