宝石
後生大事に握りしめてた切なさに
私はここで
さよならしても
いい
これこそが私だと
これなくしては私じゃないと
思い込んでたかなしさは
もうここで
お別れしてもいいものだ
今の私を形作った
かなしさと 切なさ
今の私を
気に入っているというわけでもないのに
なんだかとても 美しく感じて
宝石のように愛でていた
それらのものを手放して
空いた場所に今度は一体
何が来るのか 来ないのか
見当もつかない
でもいい
切なさが私なわけじゃない
かなしさが私なわけじゃない
もっとほかの
別のものだっていいのだ
希望に満ちた なにかでも