社労士試験独学受験日記(仮) 6年度受験準備編
弱点の見える化
社労士試験は、科目数が多いこと、しかも、科目ごとに論点が多数あること、加えて、論点の中にも、原則や例外があること。
出題に当たっては、一つの論点がピンポイントで出際されることも多いこと。特に、選択でまるまる同一論点だと、それを押さえていないと、その時点で不合格が確定すること(6年度の健康保険は、その典型。サービス問題だと思った人と、即、詰んだ人とわかれたかも。5年度の国民年金もだけど)
したがって、各科目の小さい論点ごとに弱点をつぶす必要がある。
そのためには、小さい論点ごとの弱点をピックアップする、すなわち、「見える化」が大事。
この際に、科目横断的にあいまいで紛らわしい論点も意識して確実に抑えることも重要。
例1
健康保険法の保険給付の体系
被保険者の給付と被扶養者の給付の対比
療養の給付~療養費 → まとめて、家族療養費
療養の給付には「移送費」は入らない(→現金給付)
「労災」だと、療養の給付に「移送」が含まれる。
一部負担金=被保険者の負担割合 3割とか
家族療養費の支給額=被扶養者の給付割合 7割とか
これって、よく考えればすぐに区別つくけど、実践では慌てる!
国民年金法の「2年」
3号被保険者となった届出が遅れた場合
届出日が属する月の前々月までの2年間
保険料の申請免除
申請のあった日の属する月の2年1月前までさかのぼる
※事例で、何年何月までか?と出題されて迷う。
例2 科目横断
労基法、労災法、雇用法、労働契約法の各法について、
行政執行法人、それ以外の独立行政法人に対する適用の有無
このように全科目で、細かい論点ベースで復習して、穴を埋める。
選択で紛らわしい選択肢を準備されてもいいように、
繰り返し、口ずさみながら、「書いて覚える」のが鉄則。
口ずさみに手が追い付かないくらいがちがちに覚えたら、しばらくはほっとく。
弱点つぶしの手法
実にシンプル。
単元ごとに弱点を書いて覚える。
単元ごとって、教科書の「章」レベルの区分。
健康保険法だと、例えば、
保険医療機関だとこれ全部
骨のある(論点が多い)標準報酬だと、
標準報酬月額、
資格取得時決定・定時決定・随時決定など「決定もの」
育休と産休の改定
と細分化。
覚えたところで、
弱点以外も含めて演習。
社労士のツボ
過去問ランド
エビングハウスの忘却曲線を考慮して、
これを2~3月に1回転。
なので、4回転はしたはず。
明らかに覚えた選択肢は外してもいいのだが、エビングハウスさんがいうように、本当に明らかとはいいがたいので、省略しない。まあ、そういう設問は、秒殺できるので敢えてはずざない。
3回転もすれば、なかなか覚えられない、あるいは、あいまいに覚えている、論点自体をわからなくなっている問題が決まって来るので、試験前の6~7月は付箋やチェックを付けた問題だけ繰り返して、精度をあげる。
うれしいことに、過去問ランドは、難易度の表示があるので、直前期は、正答率の極めて低い設問は半ば捨て問として割り切るのも大事。
過去20年、類題もでていないなら、むしろ積極的に捨てる。
問題を覚えてしまう弊害
何回もツボや過去問を繰り返すと、反射的に解答できてしまうので、
正誤の根拠まで含めて解答する。
正解の過去問を誤りの設問にして出題されても、
択一式の設問に空欄があって、選択式として出題されても、
解答できるくらいに論点の周辺までがちがちに固めると、実践力を磨けるのである。
それでも過去問が見慣れてくるので、オリジナルな問題を解いてみる。それと、同じ問題ばかりで飽きが来るのを防ぐためもあって、
「社労士V」と「月刊社労士受験」を購読。
独学だったので、出費も、
みんなが欲しかったシリーズの教科書(受験年度版が発行される前に購入したので、結果として2022,2023,2024の3セットになったが)
みんなが欲しかったシリーズの問題集
合格のツボ(択一)
しか購入していないので、ささやかなぜいたくとして、毎月2冊大人買い。
定期購読すると安くなるのだが、一括支払いはあれなので、毎月、職場近くの大型書店に、昼休みの散歩ついでに買いにいっていた。
既に教科書で勉強していたので、「社労士V」の科目別講座は軽く流して、
2冊とも演習部分を購入後1週間をめどにお勉強。
というのも、2週目には積ん読になっている可能性大。
この2冊の優れた付録が、暗記カード。毎月、科目ごとについてくるのだが、表に空欄のある問題。裏にその解答とコメント。
社労士Vの方は、重要条文&論点整理カード
月刊社労士の方は、スキマ時間に!数字の単語帳
購入して、スキマ時間や暇つぶしに2回転。
エビングハウスの忘却曲線を考慮して、直前期にまた繰り返し。
どうしても覚えられないカードだけ集めて弱点つぶし。
択一対策
みんなが欲しかった社労士問題集
2023年版のままだが、法改正事項は教科書や、社労士V,月刊社労士で押さえているので、節約もあって同じものを使用。
9月から直前期まで、3回転。
選択対策
択一対策をすれば、選択対策は不要だとはいいわれるが、条文ベースで空欄を抜かれると、紛らわしい用語には難儀をする。
目的条文
これは、暗記するぐらいに、呪文のように口ずさむのみ。
目的条文だけを抜粋したものをハードコピーしてファイルに入れて常時手元に置いておく。
類似法律の条文を対比すると、同じ言葉なのか、違う言葉なのか対比で覚えて、あいまいさが消える。
健康保険法
労働者・被扶養者
疾病、負傷若しくは死亡又は出産 保険給付
国民の生活の安定と福祉の向上
厚生年金保険法
労働者
老齢、障害又は死亡 保険給付
労働者及び遺族の生活の安定と福祉の向上 保険系の法律は、福祉の向上
雇用保険法
労働者の福祉の増進 労働系の法律は、福祉の増進
選択式トレーニング問題集(資格の大原)
社一、労一を除き、選択式は過去問を見ても、小さい論点ベースで正確な用語の知識、制度の知識という弱点がなければ、3点は確実に取れるだけに、弱点があると、社一、労一を除いて、補正(いわゆる救済)はされないという覚悟が必要。
教科書ベースだと、条文について、ゴシック体、赤字があっても、目が泳いでしまって、また、目だけで覚えているので、正確な記憶の確認に不安がある。
このため、月ごとに1科目ごとに発刊される「選択式トレーニング問題集」を社労士V、月刊社労士とともに購入。
月々、4千円程度の出費になるが、飲み会1回分と思えば安いもの。
条文を精読するという法律の勉強の初歩の初歩でもある。
5点の楽勝問題から、3点ぎりぎりまで、弱点というか、認識のクセがわかってくるような。
これも、受験直前期までに3回転。
すると、科目横断や、同一制度内での微妙な違いも意識できるので、
あやふやさが減っていく。
とはいえ、還暦のおじさん。
あれって、なんだっけ??
言葉が出てこないのは、受験本番まで続いたのであるが。
というような背水に陣で、多大な出費までして、「勉強の型」を決めて、ルーティーンを確立したのでありました。
以下、次回。