傷
ため息が白い
手が悴んで。
こんなにも心が寒いのは空気が冷たいだけでしょうか…
マフラーに顔をうずめても、セーターの袖に手を隠してもきっと暖かい気持ちにはなりはしない。
遠くであなたを見ているだけの私では、きっといつまでたっても寒いままなんだ。
あなたと距離を縮める勇気もないのだけど…
手が冷えて指先が小さく割れる。
こんなに小さなほころびでも、すごく痛い。
人は自分のほころびと傷を隠したがる。
あの時の手首の痛みを消してしまいたい。
私は選ばれなかった。はみ出した生き物だから…
自分じゃない私に生まれ変わりたい。
無機質になりたいと願ったところで…
何も変わりはしないんだけどな。
"そばにいて"あの時そう言えたら、違っていた?
きっと変わらない。私自身が変わらない限り。
簡単なことなのに難しい…
暖かくなったら指先の小さなほころびは消えるでしょう。
胸の奥の傷も消えたら、きっと変われる。
そんな気がするんです。
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