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【政経東北】読者・広告主に感謝する―巻頭言「創刊50周年記念」増刊号

 『政経東北』創刊号の発行は1972(昭和47)年7月。今年、創刊50年を迎えた。当初は経営が安定せず、4年の間に発行会社と代表が何度も変わった。その経緯は「回顧録」で詳しく触れているので、参照していただきたい。

 私が編集発行人兼㈱東邦出版代表取締役に就任したのは1976年7月。それから46年になる。経営が安定していなかったのに、なぜ続いたのか。理由は2つある。一つは読者・広告主に支えられたこと、二つは背伸びせず収入(売上)の範囲内でやり繰りしてきたこと。後者について言うと、金融機関が必要以上の資金を貸してくれなかったから、そうせざるを得なかったのだ。

 編集面で心がけてきたのは、読者・広告主に支えられていることから、それに報いなければならないということだった。それが、環境問題、教育問題、国・地方自治体の財政、公務員厚遇、首長の高額退職金、問題人物の告発などだった。東日本大震災・原発事故以降は放射能汚染と復興問題に取り組んできた。

 50年続いたから今後も続くとは限らない。本が売れなくなり、広告が入らなくなったら、すぐ経営危機に陥る。それは社会的な役割を終えたということで、じたばたしても仕方がない。

 後世、2000年以降はどのように評されるのか、渦中にいる我々には分からない。ただ、国の財政がひっ迫する中、危機意識に乏しい政治家の対応を見ていると、未来が明るいとは思えない。わがフクシマが放射能汚染から解放されることもないだろう。

 本号編集の打ち合わせをした際、県内出身の若いスタッフに、思いつくまま織田大蔵氏、小針暦二氏、木村守江氏のことを尋ねたら、いずれも「知らない」という。そういう人がいたということを知ってほしいと思う半面、これも時代の流れだから仕方がないとも思う。というわけで、昭和・平成前期の本誌記事は極力掲載しなかった。

 40歳前後、ストレスから暴飲暴食に走り、50歳まで生きられるとは思わなかった。幸い、山歩きや食事の改善などで生きながらえ、今年74歳を迎える。親しくしていただいた方の多くが亡くなり、不義理をお詫びすることもかなわない。

 最近、行動力と記憶力が衰え、若いスタッフに委ねるほかなくなっている。元気なうちは口出しするが、なるべく余計なことは言うまいと思っている。

(主幹・奥平 正)


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