【政経東北】選挙のあり方|巻頭言2024.11
この稿を書いているのは衆院選の最中で、読者の目に触れるころには結果が出ているが、執筆時点では分かっていない。ただ、自民党の派閥裏金問題に伴う逆風で、公示前の256議席から減らすのは確実視され、それをどこまで食い止められるかの戦いになっているというのが大方の見方。
本誌では、今衆院選の全候補者に動画インタビューを行い、ホームページ、SNSにアップした。こうした企画は昨年11月の県議選、今年9月のいわき市議選に続いて3回目。本誌で連載している畠山理仁さんが推奨する「選挙漫遊」に倣ったもの。
ここでは、これまでの選挙漫遊(選挙取材)を通じて感じたことを述べていきたい。
まず、国民の多くは「無党派層」に位置付けられる。新聞社、テレビ局、通信社など、各社の調査によって、その数字には開きがあるが、おおむね半数は無党派層と言っていい。そうした無党派層の人にとって、選挙は身近なものではない。立候補者の経歴や人柄などはほとんど知らないだろう。
では、そういった人は何を基準に投票するのか。いまの選挙では、そのための判断材料が十分に示されているとは言えない。少なくとも、選挙カーで「〇〇(議員や首長)候補の△△です」と言われても、それだけではどんな考えを持って、何をしたいのかは全く見えない。町村部では「自分たちの地域にわざわざ来てくれた」ということで投票する人もいるが、それでは選挙の重要なポイントである「政策論争」とは程遠い。
選挙において、もっとも目にする機会が多いのは選挙掲示板だが、そこに貼られたポスターを見ても、候補者の顔がメーンで、それに抽象的な文言やキャッチフレーズのようなものが書かれているだけ。これでは十分な判断材料が示されているとは言えない。言い換えると、候補者の怠慢でしかない。
前述したように選挙は政策論争でなければならない。討論会(※本誌が取材したいわき市議選や今夏の都知事選のように40人、50人の立候補者がいたら困難だが)や演説会(個人演説会や街頭演説)、あるいはSNSなどを使った候補者の主張発信こそが重要になるはずだが、そういった本来真っ先にやらなければならないことをしていない。
いまの選挙を変えるには、まずは選挙カーでの遊説を禁止してはどうか。そうすれば、前述した討論会や演説会、SNSなどを使った候補者の主張発信に時間を割け、政策論争選挙に近づくのではないか。これが本来あるべき選挙の姿だと考える。(末永)
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