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日本政治に失望しないために
11月に第二次石破内閣が組閣され、もう1ヵ月が経とうとしています。
少数与党での船出という極めて異例の内閣であり、衆議院での首班指名も決選投票が行われました。
17ある委員会のうち、野党が9取ることとなり、予算委員長は立憲民主党の安住淳が就任することとなりました。
これは日本の憲政、ひいては民主主義の本来が試されている状況であるとも言えると思います。
与党が絶対安定多数を上回る状況だと、いわゆる「数の暴力」がまかり通る事態となり、野党は「数の暴力への”暴力”」に走らざるを得なくなります。
これは立憲政治とは言えません。
第50回集議院総選挙で「与野党伯仲」となり、与党は部分連合以上のことをしないと審議になりませんし、与党の意見が通りません。また野党も、常会の会期末に「内閣不信任案」を提出し内閣の問責をすることがありましたが、今回はそれもしにくくなるでしょう。それは「可決されるおそれがあるから」です。
前回の記事でも触れましたが、少数与党の場合、野党が内閣不信任案に全員賛成される状態というのはありえない話ではありません。また内閣不信任案が提出された際に一部の会派・政党が同調するかいなか次第で選挙となります。これは野党としてもあまり良い展望だとは言えないでしょう。野党第一党と野党第二党と野党第三党が直ちに賛成するとは考えにくいですが、ありえないとは言い切れません。
また来年の7月には参議院選挙があります。これのタイミングで「ダブル選挙かもしれない」という噂はあります。しかし前々回、2019年の参議院選挙でまことしやかに囁かれましたが、行われませんでした。私も今回はダブル選挙はないと思います。6月に都議選が控えており、おそらく連立与党側は嫌がると思いますし、そもそも参議院選挙だけでも民意は測れます。参議院を軽視する者は、参議院に泣くのです。
私は今の状況は、日本の今後の民主主義・議院内閣制の真価が試される機会ではないかと思います。私は今の議会勢力で、本当に国民・市民のための政治が行われることを切に願います。「自民党は減ったが比較第一党、立憲は増えたが比例はそうでもない、国民民主党は若者に響き躍進・・・」などと、有権者の複雑な思いが色濃く反映された国会だと、私は見ています。
あまり政局に固執せず、今国会を日本の民主主義政治発展のために、有効活用されることを切に願います。