株式会社ナショナル会館(鳥取市永楽温泉町)
昭和52年2月の創刊時から連載されていた、山陰の事業所を紹介する『事業所めぐり』をnoteで順次紹介。今回は昭和52年4月5日号より、株式会社ナショナル会館を紹介します。
※地名、会社名など各種名称、役員、広告内容等記載内容は掲載当時のものです。
【事業所めぐり12】株式会社ナショナル会館(鳥取市永楽温泉町)
「戦前、大阪のある繊維会社に勤務していたころ、よく外国人と一緒に入った」(西尾新一社長)喫荼店をヒントに、終戦後、鳥取駅前で喫荼店を開業。
スタートは文字通り“一杯のコーヒーから”。27年、資本金150万円をもって、同社を設立、現在地に移転した。
大小スペシャルルームを開設する一方、店内にテレビを設けるなど、当時としては画期的なアイデアが大当たり。以来“和洋レストラン”ナショナル会館(地上4階建て)として一般大食堂、大・小宴会場、結婚式場などを備え、個人はもとより、官庁、公共団体、各会社など幅広い客層を獲得。
”何もナショから成せばナル会館”を同社のモットーに、年々、業績を拡大してきた。38年には、倉吉ナショナル会館(和洋レストラン)を建設。また一昨年は、ビジネスホテルとして、ホテルナショナル(地上4階建て)を設立。宿泊施設も完備。来年には、東伯郡関金町にもホテルを建設する予定で、すでに用地も確保済み。
このように、営業網の拡張に努めるかたわら、内容の充実も図り、昨年は倉吉ナショナル会館を改築したばかり。
宴会やクラス会、結婚式、披露宴などに「家族的な雰囲気で安心して楽しんでいただく」ため、ナショナル会館2階の改造を行った。
「いいお客さんと、いい従業員にめぐまれて裸一貫、無一文からここまできました」と語る同社長。その感謝の気持ちが反映してか、同社の営業用グラスには団体名、会社名、学校名なと得意先のネームが施されている。
駅前・本通りからやや奥まった場所に位置し、地理的に好条件とはいえないが、売り上げは毎年、上伸の一途をたどっており、連日のようにり結婚行進曲が鳴り響く繁盛ぶり。
同社長は「同郷(八頭郡智頭町)の大先輩、故米原章三氏を手本として、これまでサービス業一筋にまい進してきた。これからも“誠実一路”“夢を描いて悔いなき人生”を追求していきたい」と話している。(昭和52年4月5日号)