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「腓骨遠位部裂離骨折の症例報告」#書く習慣104
日々の診療お疲れ様です。TROT(トロット)です。
今日は以前勉強会で説明を受けた腓骨遠位部の裂離骨折の整復を実践させていただく機会を頂けたのでその症例報告をいたします。
以前の内容はこちら。
「捻っちゃいました。」
今日来院されたのは、60代女性で0〜2歳を受け持つ保育士さんです。
子供の相手をしていて、痺れたまま立ちあがろうとした時に足を思いっきりひねてしまったそうです。
外果下端には強い腫脹が見られ、同部に強い圧痛も見られます。
レントゲン撮影をしてみると、何もないかのように見えましたがよーーーく目を凝らしてみると腓骨下端に裂離骨片があるのが確認できました。
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実際にエコーでも観察してみると、やはり裂離骨片が確認できました。
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いざ整復。
可動域を確認してみると底屈は可能でしたが、背屈可動域は健側に比べて10°程度減少していました。
外観は外反位を呈しますが、独歩は可能です。
というわけで、整復を行います。
まずは、動画の通り母趾延長線上に末梢牽引を行います。
続いて内反位の矯正を行いながら、腓骨下端の裂離骨折だったので踵腓靱帯由来の裂離骨折だろうと仮定し、下端から直圧を行いました。
その後は踵を牽引し、距骨を距腿関節内に滑り込ませる操作を行い整復終了としました。
AITFLに関しては今回圧痛がなかったため圧縮操作を行いませんでした。
整復後のエコー画像がこちらです。
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エコーあてた場所を間違えたんじゃないかと思うくらいピッタリ整復がされています。
整復後の背屈可動域も健側と変わらない程度まで回復していました。
その後、患者さんにはオルソグラスによるU字固定を行い、免荷はせずに帰っていただきました。
実際にやってみて
今回症例を体験してみて感じたことは以下の通りです。
① 痛みの引きがすごい早かったこと
② 整復操作での痛みの訴えは無かったこと
③ 可動域の回復が明らかであること
今後はもう少し症例数を増やして、患者さんの経過を見ていって良い報告がさらにまとめられればと思います。
本日もお疲れさまでした。