日々の診療お疲れ様です。TROT(トロット)です。
先日高齢女性が来院されました。
転倒や外傷の既往はありませんが、手関節が腫れていてXP、エコーで確認してみると骨折の所見を認めませんでした。
しかし、ドクターはレントゲンを見るや否や「偽痛風だね」とひとこと。
ドクターと仕事をする上でこういった所見を見逃さないように本日はレントゲンから見る偽痛風の所見についてまとめていきたいと思います
偽痛風とは
偽痛風とはピロリン酸カルシウムが軟骨などに沈着することで生じる関節炎のこと。
痛風のような強い痛みを訴えるが、高尿酸結晶が見られないのが特徴。
痛風の場合は成人男性に多いが、偽痛風の場合は高齢の女性に発生することが多い。
偽痛風の症状
症状としては大きな関節に激烈な痛みを生じることが多いです。
発赤、腫脹だけでなく、発熱を伴うこともあります。
また、好発部位としては膝関節が多く、続いて、肩(石灰性腱炎)や手関節に生じることが多いようです。
偽痛風の診断
診断方法としては大きく2つあります。
1つは、レントゲンで軟骨部に石灰化像を認めるものです。
ちなみに膝関節以外は石灰化陰影を見つけること難しいようです。
2つ目は、関節穿刺をした際にその関節英内にCPPD結晶を認めるものになります。
偽痛風の分類
偽痛風の治療
治療法としては、特異的な治療法はありません。
ただし、急性の関節炎発作は3日程度で改善することが多いため、その期間のNSAIDSの服用や患部の安静を促すために固定を行うことが多いようです。
痛風とは異なり代謝疾患ではないため、食事療法を行う必要はありません。
参考文献
*1)日本リウマチ学会
*2)高齢者の整形外科疾患「偽痛風」
*3)痛風、偽痛風の治療/谷口敦夫
*4)偽痛風とはどんな病気?