臨床スポーツ医学 ②椎間孔狭窄
それでは、第2弾として椎間孔狭窄についてまとめていきたいと思います。
僕は元来苦手なものを後回しにしてしまうことが多いのでサラッと復習がてら勉強していきたいと思います。
さ、レッツスタデー!
椎間孔狭窄
はじめに
・腰部脊柱管の外側型として分類される
・全腰痛の8〜11%を占める症例
・正確な画像診断は困難とされる
症状
・LSCS(腰部脊柱管狭窄症)の主症状…
馬尾神経障害に起因する両側下肢神経症状や間欠跛行
・椎間孔狭窄の主症状…
片側神経根に起因する片側下肢症状であり、LSCSよりも痛みは強烈
* L5/S1神経孔狭窄では、安静時の下肢痛が特徴的
診断
・理学所見に特異的なものはなく画像検査が必要
・最も有用なものはMRI
①T1強調像のSAGITAL像での椎間孔部の脂肪消失は重要な情報となる
②神経根を描出したDWーMRNのCoronal像では腰部椎間孔狭窄を示唆する神経根の横走化が増加する
※ 横走化が見られた(椎間孔狭窄が見られた高位)部位に起因する症状が必ずしもあるわけではないことにも注意する
治療方針
①保存療法
・痛みのコントロールがメイン
・神経根刺激症状に対しては…
NSAIDS と プレガバリン or ミロガバリン
・下肢痛が激しい場合に対しては…
神経根ブロック
※椎間孔で絞扼された神経根は炎症状態であることが多いため局所麻酔+ステロイドを用いる
②手術療法
・手術療法では以下の2つが主な対応
顕微鏡下椎間孔狭窄拡大術
固定術(高度な変性がある場合)
※ただしアスリートの場合は、背筋群に対しては低侵襲に行うことが望ましい
では、今日はここまで。
片側の下肢神経症状で痛みが強烈なもの、DWーMRNで神経根の横走化が見られるものは椎間孔の狭窄が疑わしいということですね。
僕が勤めているクリニックでは腰痛患者のMRIを見させていただくことが多いので念頭に入れて治療にあたらないと。
次回は僕が今までよくわからなかったModic変化についてまとめていきたいと思います。