ヨガという言葉の意味
昨日はヨガのはじまりについて書いてみました。
今ではすっかりインドの伝統として世界に認知されているものですが、モヘンジョダロは現パキスタン。もともとインドもパキスタンもバングラディッシュも同じ「国」であったので、地域と歴史の線引きはとてもデリケートで難しい問題を含みますね。
私はパキスタンへは行ったことはありませんが、パキスタンにも「ヨガスタジオ」はあるのかなぁ。対立する2国に共通するものとしてYOGAがあれば素敵だなと思う次第です。
ヨガは頸木
さて、ヨガは古代インドのサンスクリット語で「Yuj」(ユジュ)が語源と言われます。
この言葉語彙が「馬を頸木に繋げておく」という意味があるようです。
ちなみに頸木とはこちら。(牛ですが)
さぁ、これでヨガの意味が理解できれば、とても思考の豊かな方ですね。
この頸木でもって、「繋げておく」ことに意味があるようです。
ヨガは何をつなげること?
馬と車をつなぐから馬車となりますね。
では、ヨガが頸木および頸木のようにつなげるものであるとすると、2つ以上の対象をつなげることととなりますが、何と何?なのでしょう。
あるいは、何かと何かをつなげた暁に訪れた「状態」を表しているとも言われます。
そもそも、馬を車につなげるときはどんな場合でしょう。
古代、馬をもつ人たちの行動とえば、移動や動力としての馬の活用が想像できますね。戦いに向かうこと、耕すこと、臼を回すこと。
すなわち馬というものは「動く」「推進」という働きを比喩なのしょう。そして、それに繋がれるものが「目的」「行為」「結果」なのでしょう。
古いインドの書物で「カータカウパニシャット」(紀元前500~200年頃)では、”adhyatma-yoga”(内的なヨーガ)という記載が見られるそうです。また、yogaksemaという複合語もみられ、これは「至福」「繁栄」を意味するようですが、仏教では「人を縛り付けているものからの解放(いわゆる煩悩からの解放」と説明されることもあります。
瞑想や集中法を説いている書物「マイトリウパニシャット」(紀元前200年頃)では、”ヨガは存在のあらゆる条件を放棄すること”と明確な定義が述べられていたりするそうです。
yogaという言葉の表現される意味は、歴史的に大きく変化してきたようです。
古代では、純粋な「繋ぐ」ことを表現する動詞としての活用であったものが、「合一」「統一」「結びつける」という目的を表すものとして表現されるようになっていったようですね。
だから、とらえどころがなく、言葉だけでは理解しにくいのでしょう。
しかも、日本語にどう訳すかということも多分に影響されます。
繋げる対象
いずれにしても、yogaは時代と共により精神的な活動を表すものとして使われてきました。
ヨガを学ぶ場合、この言葉への熟考は大切だと思っています。
学説的な理解を深めるなら、多くの文献を読むことをお勧めします。
体験的な理解を深めるのなら、より多くの実践を積むことをお勧めします。
いずれにしても、そこにはある程度の「言葉での理解」が含まれると思います。体験には言葉が無いようにも思いますが、自らの感覚や思考といったものを対象にして真実を理解していこうとする努力では、自らのもつ言葉と意味への理解と制御が役に立ちます。
で、ヨガは何と何を結ぶのでしょう?
『アグニ・プラーナ』という文献では
個我(jivatman)と最高我(paramatman)の結合
『マハーバータラ』という叙事詩では
真の自己(atman)と私
『ヨガスートラ』というヨーガ学派の経典
ただしい知識(識別知)と私
YOGAは時代と共に、その中に含まれるエッセンスやイメージが次々と変化していく言葉。見る角度によって色が変わるビー玉みたいな感じです。
繋がるという言葉
結局のところ、、、、
と、このコラムの結論を書くことはありません。
なぜならば、「わからない」のではなく、時と場合によって変化する、とても捉えどころのないものがYOGAという言葉だから。
言葉にすればするほど真理から遠ざかっていく「愛」みないなもの。
判っているつもりでたくさんのお話で楽しむことはできるかもしれませんが、結局は中心に近づかないメリーゴーランドの周りをまわる私たち。
私とあなた。
貴方たちと私たち。
大切なのは、「切れ目なく」「複雑に入り混じる」間柄である私たちであるという存在。
仏教では相応。
私の生命の原動力は、私の世界にいる全て。
全てと繋がり、1になる。
そんな世界観がYOGAという言葉の持つ意味じゃないかという気がしています。
そんな話をたくさんみんなと話してみたいから
4月に高野山の宿坊でYOGA合宿します
そんな話をたくさんシェアしたいから
4月にヨガインストラクター養成講座も開催します
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