【インフォ】 四国の観光列車3本の「ものがたり」に乗った話
昨年から今年にかけて「ものがたり」と名の付く、3本の四国の観光列車に乗る機会があったので、その様子をレボートします。
まず初めは、愛媛の松山〜伊予大洲・八幡浜間を走る「伊予灘ものがたり」。
夕方八幡浜を出発し、松山へ向かう列車に乗りました。
のどかな八幡浜駅のプラットホームに、優雅なBGMとともに茜色の車体が滑り込む様は、風格と気品を感じました。
スタッフに見送られながら、一路松山へと向かいます。
大洲城付近では、スピードダウン。
こうした配慮が、観光列車ならではです。
肱川沿いをしばらく走った後、視界に海が広がります。
旅のハイライト、伊予灘の風景です。
個人的に楽しみにしていたのが、下灘駅への停車でした。
ひなびた無人駅ですが、伊予灘を見渡せるフォトジェニックなロケーションから、ドラマやポスターの撮影地に使われる駅として有名です。
あいにくその日は天気が悪かったので、夕陽に輝く海を背景にパシャリ・・・とはいきませんでしたが、一度訪れてみたい場所だったので満足しました。
伊予灘ものがたりは、来年リニューアルされるとのこと。
新たに紡がれる「ものがたり」が楽しみです。
続いては、高知の高知〜窪川間を走る「志国土佐時代(とき)の夜明けのものがたり」。
3本の中では一番新しく、昨年デビューした観光列車です。
午後窪川を出発し、高知へ向かう列車に乗りました。
白と青を基調にした車体に、大胆にデザインされた高知の英雄、坂本龍馬の姿が目を引きます。
中に入ると、SF小説に出てくる宇宙船のようなこだわりの内装に心躍りました。
海沿いを走るイメージを持っていましたが、海が見える区間はそれほど多くありません。
そのことがかえって、車窓から海がのぞいた時の高揚感を高めます。
その日は天気も良く、伊予灘の魅力とはまた違う、広々とした海の青さが目に眩しかったです。
途中停車した土佐久礼駅や須崎駅では、地元の方が特産品を売っていたり、歌や踊りで歓迎してくれました。
おしまいは、香川・徳島の多度津〜大歩危間を走る「四国まんなか千年ものがたり」。
午前に多度津を出発し、大歩危へ向かう列車に乗りました。
内装は「古民家」をモチーフにしているとのこと。
車内に足を踏み入れた途端、どこかほっとした安心感に包まれる気がしたのも納得です。
多度津を出発して間もなく、「こんぴらさん」と親しまれる金刀比羅宮の玄関口、琴平駅で停車。
構内には専用待合室があり、特別感を演出します。
琴平を出発すると、列車は徳島へ入ります。
「秘境駅」坪尻駅では、列車のスイッチバックを体験。
さらに雄大な吉野川沿いをさかのぼり、大歩危峡の絶景ポイントへ。
沿線の見どころや歴史を紹介するアテンダントの説明も終始行き届き、非日常的な気分に包まれる列車旅を堪能することができました。
予算の都合上申し込まなかったのですが(笑)、いずれの列車とも、事前予約をすれば、地元の食材を使ったこだわりの食事を楽しめます。
また、3本の列車に共通し、何より心を動かされるのが、地域の人たちの心づくしのおもてなしです。
沿線の通過駅のホームはもちろん、民家から、ガソリンスタンドから、手や旗を振って、着ぐるみを着て、歓迎してくれました。
心に残る旅になること間違いなしです。
四国の「ものがたり」列車、おすすめです!
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