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守屋市長の清閑亭問題への見解に対する私達の意見

2024年5月9日に守屋市長から見解が出されました。これまで黙認され続けていましたが、ついに市長本人からの情報発信がなされたことは、とても大きな一歩です。見解は大きく異なりますが、市長にも感謝します。
市長からの説明に対して、私達の意見を一つ一つ説明していきますが、結論としましては、やはり第三者による一連のプロセスの調査が必要であるという意見です。

まずは事業者選定について言及されています。

世間では様々な噂が飛び交っておりますが、事象者選定は、一切の不正がなく、適正に行われております。事業者選定は令和3年7月に行われ、何度も議会報告しているにも関わらず、市長選挙直前に、このような報道や噂が飛び交っていることに違和感を感じます。ここで、改めて真実をお伝えいたします。

小田原市長 守屋輝彦(もりやてるひこ)公式ウェブサイト
本市所有の歴史的建造物である清閑亭について

清閑亭、豊島邸という2つの文化財に関して、21社からの提案があったにも関わらずJSフードシステム1社が独占していること、選定審査を行った委員が全て小田原市の職員であったことから、外形的には公平性が疑われます。また、選定審査の内容を情報公開請求した結果も殆どが黒塗り非開示であったことからも、審査が不透明であり、内容の検証ができず、疑義が残る形となっています。
尚、本問題は増設工事とオープンがなされた本年から市民に認知され始めたはずですので、時期に関しては単純にそれが原因でしょう。


次に清閑亭の維持管理費用についてです。

清閑亭は平成20年1月に市が取得し、平成24年からNPO法人に年間1300万円~1800万円(累計額1億5000万円以上)で管理運営を委託してきました。

その後、様々な施設を公有化する中で、歴史的建造物である清閑亭の魅力をさらに発信するために、民間提案事業の第1号案件として、民間事業者に提案を募りました。選定の結果、別邸料理を提供する事業者が優先交渉権者に選定されました。

これにより、清閑亭に新たな魅力が加わり、庭園及び2階部分は従来通り一般に開放され、1階部分は飲食店として営業が開始されております。加えて市には年間240万円の貸付料が入ることになりました。

小田原市長 守屋輝彦(もりやてるひこ)公式ウェブサイト
本市所有の歴史的建造物である清閑亭について

以前の清閑亭はのべ2-3万人ほどが利用しており、現在JSフードシステム社が徴収している管理費の550円を課すことで、より多くの人に利用され公共に利する形で維持できたのではないでしょうか。
また、庭園及び2階部分は実質的にJSフードシステム社に独占されており、年間240万円の貸付料のうち200万円は実質的に独占されている庭園の管理に利用されています。
TOTOCOなどとは異なり、利益が全て事業者収益になることも4月16日の厚生文教常任委員会で指摘されました。
小田原市観光協会には補助金を3000万円増額しており、のべ2-3万人の市民や観光客に利活用されていた清閑亭のコスト削減を進めることは、タブルスタンダードにも見えます。


続いて、6つの質問回答がありますので、一つずつ確認します。

1 事業者の選定について
Q 事業者の選定は適正に行われたのですか?
A 事業者選定は適正に行われました。
事業者の選定は、公募時に公開した「実施要領」に記載された審査方法と「清閑亭特記事項」に記載された審査基準に基づき適切に実施されており、特定業者への配慮は全くありません。
なお、事業者選定及びその後の協議の進捗状況に関しては令和3年9月議会、令和4年12月議会、令和5年12月議会で報告しております。市長選が近づいてきた段階で、不正が働いたかのような報道や噂の拡散には違和感を感じます。

小田原市長 守屋輝彦(もりやてるひこ)公式ウェブサイト
本市所有の歴史的建造物である清閑亭について

こちらに関しては前述の通りですので割愛しますが、「清閑亭特記事項」に記載された史跡上への増設不可という公募要件が事後に改変されていたこと及びその経緯については、市議会で報告されていたのでしょうか。

審査の結果、株式会社JSフードシステムが優先交渉権者に選定されましたが、清閑亭を文化・歴史の発信拠点であると共に食文化など「小田原ならでは」をテーマにした施設にしたいという市の思いと、食を通じて「小田原ならでは」の文化を発信しつつ市内事業者や近隣地域とも連携しオール小田原で清閑亭を創り上げていくという提案内容が合致し、評価されたものです。

小田原市長 守屋輝彦(もりやてるひこ)公式ウェブサイト
本市所有の歴史的建造物である清閑亭について

食を通じて「小田原ならでは」の文化を発信しつつ、オール小田原で清閑亭を創り上げていく提案内容で、なぜ「博多の水炊き」を提供するのか理解に苦しみます。小田原名物であれば、蒲鉾、水産物などにより火気の利用は不要だったのではという質問が4/16の厚生文教常任委員会でもありました。

2 史跡(清閑亭土塁)への影響について
Q 増築工事により、史跡が破壊されるのではないですか?
A 今回の利活用に関して、史跡の毀損は全くありません。
国指定史跡清閑亭土塁(土地)のうち、南側の貴重な場所は市が直接管理しており、利活用事業の範囲には含まれていません。
また、清閑亭が建っている北側の場所は、近代以降に切土・盛土で造成されており、遺構は残っていません。この場所は70センチ以上盛土されており、今回の増築のための25センチの掘削は、史跡には全く影響はありません。

小田原市長 守屋輝彦(もりやてるひこ)公式ウェブサイト
本市所有の歴史的建造物である清閑亭について

次は史跡への影響についてです。まず、建築主である小田原市と、工事会社であるタガワ建設工業社、設計監理会社である秋山設計社との契約が締結されていないまま工事が実施されていました。
また、「史跡には全く影響はありません」という守屋市長の説明は、情報公開請求で明らかになっている市職員のメール内容と矛盾します。調査が必要なのではないでしょうか。

「これ以上、史跡の保全への支障が出ると国への説明もつかず、最悪、工事を止めなくてはいけない」
「少しでも史跡へのダメージが少なくなるとよりよいかと思います」

情報公開請求を行った小田原市職員のメールより

また、史跡上の柊を伐採許可が出る前に伐採したり、石材を勝手に移動させたり、掘削したりなどしている実態も明らかになっています。


3 厨房増築の経緯について
Q 当初予定のなかった厨房の増築に関して特別な便宜を図ったのではないですか?
A 利活用事業者の選定後に公募条件を変更して、増築の便宜を図った事実はありません。
民間提案制度は、審査項目を提示した上で広くアイデアを募集し、採用された提案は、詳細協議という対話の中で改良していくことがあります。詳細協議の中で有益な提案は取り入れております。

小田原市長 守屋輝彦(もりやてるひこ)公式ウェブサイト
本市所有の歴史的建造物である清閑亭について

次は厨房増設の経緯についてです。史跡上への増設工事は公募時の要件を定義した「清閑亭特記事項」に「行えない」と明確に定義されており、「有益な提案は取り入れる」という範疇を大きく逸脱しています。

清閑亭特記事項

火気を利用する増設を伴わない提案が他の8社からあり、4/16の厚生文教常任委員会でも、通常であれば、このような公募要件を逸脱する計画になったら一度白紙撤回すべきだという趣旨の発言が原委員よりなされていました。
また、小田原市が増築工事の許可を得るために文化庁に提出している文書の内容とも矛盾しており、明らかに「清閑亭の利活用ありき」の増築がなされていると考えています。
「史跡や登録有形文化財の価値を保存しながら活用すること」が優先されていれば、そもそも火気の利用も史跡上の増設工事も行われなかったと考えます。

・史跡や登録有形文化財の価値を保存しながら活用することは推奨するが、清閑亭の利活用のため、史跡の保存等文化財の保存を犠牲にするような「清閑亭の利活用ありき、史跡等の現状変更ありき」の建物等の改修等は一切認めないこととする。

史跡小田原城跡 清閑亭 土塁及び国登録有形文化財清閑亭における保存活用について
令和5年2月 P79


4 貸付料について
Q 貸付料が安すぎるのではないですか?
A 貸付料は市の基準に基づき算定したもので、他の市有財産の貸付料と比べて極端に安いわけではありません。
貸付料は、貸付範囲を利活用に必要最小限の箇所に限定し、小田原市財産規則に基づいて算出(年間240万円)しました。

小田原市長 守屋輝彦(もりやてるひこ)公式ウェブサイト
本市所有の歴史的建造物である清閑亭について

次は賃料についてです。こちらにもまとめていますが、文化財という価値が加わっているにも関わらず、坪単価平均2万円以上という周辺のテナント賃料と比較しても10分の1ほどに設定されています。営利目的で運営されるのであれば、本来は入札などによる公平な方法で決定されるべきではないでしょうか。
また、JSフードシステム社が実質的に独占している土地部分に関しては、費用が発生していないばかりか、小田原市が庭の管理費用を年間200万円負担しており、残りの40万円は修繕積立費となるため、市の実質的な収入はゼロとなります。
また、「※建物・庭園の維持管理に係る費用、清閑亭(小田原の歴史・文化)をPRするための費用は事業者負担とする。」という公募時の条件とも乖離します。

清閑亭:延床面積396平米(約120坪)、敷地面積5561平米で、賃料は月20万円。坪単価約1,667円
豊島邸:延床面積150平米(約45坪)、敷地面積886平米で、賃料は月15万円。坪単価約3,300円


5 契約関係について
Q 正式な小田原市との契約前に事業を開始してもよいのですか?
A 事業者と小田原市との一連の契約は適正に行われております。
増築工事は、詳細協議に関する協定→覚書(基本合意)→定期建物等賃貸借契約及び覚書という一連の手続きの中で適切に実施されています。
厨房の増築工事やお披露目会、市による修繕工事は、令和5年5月26日に締結した覚書(基本合意)に基づいて行われたものです。定期建物等賃貸借契約の締結は令和6年3月7日ですが、契約とはお互いの意思の合意であり、約束した内容を書面に残すという点で、覚書も契約書も効果は同じです。
なお、お披露目会の最初の4回が営業許可前であったことについて、小田原保健福祉事務所から厳重注意を受けたことは大変遺憾です。事業者から報告を受けた直後に、市として事業者に対して、再発防止と適切な運営について申し入れを行いました。

小田原市長 守屋輝彦(もりやてるひこ)公式ウェブサイト
本市所有の歴史的建造物である清閑亭について

次は契約関係についてです。小田原市とJSフードシステム社の間で、増設工事、内装工事にあたって締結されていた覚書は以下のものだけです。また、建築主である小田原市と、工事会社であるタガワ建設工業、設計監理会社である秋山設計との契約も存在しなかったようです。
史跡の保護、文化財の保護、損害賠償責任、原状回復義務など何も定義されていません。小田原市の所有する国指定史跡上への増設工事、文化財の内装工事を実施するにあたって、本当に適切だったのでしょうか。
小田原市が行っている他の工事はどうなっているのでしょうか。これだけの契約内容で工事を実施してしまうことは、通常では考えられないはずです。

また、営業許可前での違法行為の直後に、期間、賃料、原状回復義務などにおいて、市が不利だと見られる賃貸借契約が締結されていたことも疑問です。


6 近隣関係
Q 近隣とのトラブルがあると聞いてます
A 近隣住民の方々や地域の方々とは、しっかりと対応しております。
・庭園への門に鍵がかかっていて入れないとのご指摘には、見学希望者に分かりやすいように、案内表示の看板を設置しました。なお、門は以前から設置しています。
・送迎の車が方向転換の際に隣地に侵入するとのご指摘には、転回禁止の看板を立てました。
・利用者の路上喫煙には、敷地内禁煙・路上喫煙をご遠慮頂きたい旨の看板を設置しました。
・厨房からの騒音については、一番大きな換気扇に消音装置を設置しました。
・清掃用ブロアーの音が大きいとのご指摘には、器具をガソリン式からバッテリー式に変更し消音に努めました。
・プライバシーへの配慮は、坂を登り切ったところに柵や止石をおいて視線を逸らしました。
・県道沿いに設置した看板が通行の妨げになるとのご指摘には、地域の方を含む関係者が立ち会い、一時的に看板を撤去し、今後改めて、関係者立ち会いの下で移動場所を決定します。

小田原市長 守屋輝彦(もりやてるひこ)公式ウェブサイト
本市所有の歴史的建造物である清閑亭について

守屋市長が近隣とのトラブルの存在を認められました。一方、小田原市の視点では「しっかりと対応しております」と説明していますが、近隣住民の一部は、悪化した住環境に対する小田原市の対応に納得しておらず、未だ営業に反対しています。
そもそも、このようなトラブルは営業開始前に近隣住民と十分な確認を行い、事前に回避すべきものだったのではないでしょうか。
少年院跡地の開発に関しても、反対する住民の署名活動が行われているようですが、開発優先、住民軽視と言われない対応が必要でしょう。

以上、守屋市長による説明に対する私達の見解となります。結論としましては、やはり第三者による一連のプロセスの調査が必要であるという意見です。

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