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逆ソクラテス

この本は、発売された時から気になっていて、文庫本化されていたので手にとってみました。

とにかく5つの短編の題名がユニークです。
【逆ソクラテス】 【スロウではない】 【非オプティマス】 
【アンスポーツマンライク】 【逆ワシントン】

まったく話の予想がつかないまま読んでいきましたが、【逆ソクラテス】 の「自分の先入観がいかに、あやふやなものか思い知らせてやるんだ。」
「ぼくはそうは思わない。」
この2つのセリフが物語の展開に大きく関わっていて、なるほどなと思いながら読み進めました。あと、安斎という少年。とっても気になる存在です。

物語の終わり方が個人的に好きだったのは【スロウではない】でした。他の作家さんだったら、違う終え方にしただろうな、と思いました。この物語にも、「先入観」という言葉がキーワードになっていました。

【非オプティマス】も終わり方が非常に気になりますが、個性的な福生という少年。弱々しい久保先生が最後に深くて力強い話をする場面。面白かったです。

すべての短編を読み終わったあと、改めて「先入観」の危うさや、思い込みは誰にでもあることだけどそうならないようにしよう、と思いました。

                        書いた人:H.K

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