博士の長靴
連作短編小説のこの本は、「1958年 立春」という短編から始まり、その後は「1975年 処暑」「1988年 秋分」「1999年 夏至」「2010年 穀雨」「2022年 立春」と続いていくユニークな構成になっています。
ただ、四世代にもわたる物語となっていて、家族のつながり、連綿と受け継がれる精神、様々な家族の在り方などを味わうことができます。
読み終わって真っ先に思ったことは、自分も(結果として)受け継いでいる「物」はあるのかな?という気持ちでした。家の中を探したら、ありました。何年も前に亡くなったおじいちゃんが使っていた4つの「お猪口」が。
この本を読み終わって、お酒を自宅でたしなむ時、今までとは違った「お猪口」に見えてきました。
そういう見方にさせてくれた【博士の長靴】でした。
(装丁や装画がお話の雰囲気とも合っていて、とっても素敵です。)
書いた人:H.K
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