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ホップ ステップ ぶん殴る! Vol.23

蛇口を閉めるという当たり前のことだけど簡単なことができそうでできない。え?!蛇口ぐらい閉めれるでしょ?っておもうだろうけど、それができないから赤字店舗になる。蛇口を閉めずにレジを打ちにいくとか、蛇口を閉めずに皿洗いするとか、蛇口を閉めるのが面倒で出しっぱなしで他の作業をしたり。水道代だけの問題ではない。水がもったいないと思えないことが大きな問題だ。


閉まっていなかったら注意する。
都度、全体に伝える。
そしてそれを実行させる。
こんなくだらないことがなかなかできない。


自分自身ができていないから当然だ。
そしてみんなと話し合う。
嫌われても良いから
自分のことは棚にあげて何度も注意する。


本気さはだんだんと伝わり
スタッフとのコミュニケーションもとれるように
なってきた。すると蛇口だけじゃなくて
電気のつけっぱなしも 紙の使いすぎも徐々に
なくなっていった。



そんなある日、店前で道路の工事がはいった。
特に事前連絡もなく店舗の入口をふさがれた。
最初は公共工事だから仕方ないかぐらいにおもっていた。
駐車場には勝手に工事車両がとめられた。
そして警察がきて交差点4箇所に意味もなく立った。店の駐車場に勝手にパトカーを停めてだ。


1時間経過をすると
その時間帯の売上が激減した。


するとコミュニケーションがとれはじめたスタッフから「駅長どいてもらった方が良いですよ!ガツンと言ってきてください!」と言われ、
ここは良いとこ魅せないと!とおもい
意気揚々と交差点に向かった。


ドキドキですよね笑


おそるおそる
警察にどいてほしいと言い、
工事もやめてほしいと言った。
すると工事関係者が20人ぐらいでわざと
取り囲んできて
この兄ちゃん何言ってるだ?という雰囲気で
工事をしなきゃいけない理由を
いろいろつきつけてきた。


雰囲気にのまれ
やっぱそうですよね〜って引き下がった。


スタッフには
工事の人にガツンと言ったんだけどね〜
工事の人たちがどうしても
工事させてくれ!って言うから
しょーがねーな〜って許可したんだよー
と体裁良く答えた。


さすが!駅長!ガツンと言ったんですね!
カッコいい!ってな感じだった。


そしてレジに立っていると
店に入ろうとするお客様が駐車場をふさがれていて
入るのを断念して通り過ぎて行くのをみた。
カッコ悪い自分にだんだんイライラしてきて
そして怒りが込み上げてきた。


気づいたら
もう1度、交差点に向かっていた。


「邪魔だからどいてくれ」と言った。
「工事をするなら夜にやってくれ」と
たたみかけた。
すると「工事をやってやってるんだから黙ってろ」と土木工事のおじちゃんが自分に向かって言い
挑発的な態度をとってきた。そしてまたゾロゾロと20人ぐらいに取り囲まれた。(詳細は省く)



今の俺はさっきの俺とは違うぜ。



キレた自分は全員とケンカするつもりで
おじちゃんをぶん殴ろうと
三歩さがって助走をして
ホップ!ステップ!
ジャン・・・・
「いわも」が飛び込んできて
自分をタックルした。
オールブラックス級に完璧なタックルだった。


タックルされて倒れた状態で
「店はオープンしてるんだ。どいてくれ」と
おっさんに向かってもう1度言った。



雰囲気を察した工場関係者と警察は
こっちの本気を感じとって
サーーーーっと引いていった。
その10分後、工事をとめ、工事車両を全部撤収し、警察車両もいなくなった。その後、責任者がきて工事のことを詳細に説明して、こっちの希望も聞いてくれた。


それ以降、房の駅のまわりの工事は
必ず説明が入るようになった。工事は夜間になるようになったし、警察は勝手に駐車場に車を停めることはなくなった。


小さなことだけど自分たちの場所を守るってこういうことだとおもう。もしあのときレジに戻って怯んだままだったら、本気の自分には出会えなかった。


このことをきっかけに
いろいろことで泣き寝入りがなくなった。
少しずつだけど房の駅に対して
熱く本気になっていく自分が恥ずかしく
なくなっていった。


『諏訪聖二、黒字独学』
第2条 仲良くしなきゃいけないけど公共工事や保健所、役人、警察に怯むな。

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このことをきっかけに「本気」が人を動かすことを知った自分は「熱さや本気」を出すことが どんなにハナで笑われても恥ずかしくなくなっていった。



教科書にない赤字店舗を黒字化する10か条
『諏訪聖二、黒字独学』Vol.21-Vol.30(全10話)

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