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「勉強量」より「戦略」が大事!MBAが教える国語の成績アップ法
国語の講師をしていると、「国語、がんばっているのに点数が伸びないんですよね…」「国語の勉強の仕方が分からなくて…」そんな悩みを持つ親御様と多く出会います。
「勉強量を増やせば成績は上がる!」と思われがちですが、それ以上に「努力の仕方」を変えることが効率よく成果を出すためには必要です。
私は塾講師の傍らMBA(経営学修士)として様々なコンサルに携わってきましたが、MBAではビジネスの成功には戦略とデータ分析が不可欠と教えられます。
実はこれって受験勉強にもそのまま言えること。
今日はMBA的な視点で、国語の成績を上げるための賢い勉強法をお伝えします!
① 目標を「ざっくり」じゃなく、具体的に決める(KPIの考え方)
「国語を伸ばす!」といっても、何をどう伸ばせばいいのか曖昧だと、結局「がんばるけど成績は横ばい…」なんてことになりがち。やはり目標設定が非常に重要です。
そこで大事なのが、「何をどこまで伸ばすか?」を具体的に決めることです。MBAでは「KPI(重要な評価指標)」といいますが、受験に置き換えると「目標の細分化」と「目標の数値化」といったことにあたります。
✅ 国語のKPI(目標)を具体的に設定する例
選択肢問題の正答率を60% → 80%に上げる(間違えた問題を「なぜ間違えたか?」分析する)
記述問題の部分点率を20% → 50%に上げる(「答えの型」を意識して練習する)
問題を解くスピードを10分短縮する(時間を測って解く習慣をつける)
目標を具体的にすると、「何をやればいいのか」が見えてきます。
たとえば、「選択肢の正答率を上げる」なら、まずは「文章が読めているのか」「設問が読めているのか」「選択肢が読めているのか」といった現状分析から入り、どの部分に課題を抱えているのかを明らかにしていく。
こういった視点があるだけで、闇雲に問題を解きまくるより、効率よく成績を上げられるんです。
② ただやるだけでは伸びない!「振り返り」の習慣をつける(PDCAサイクル)
「国語の問題をたくさん解いてるのに、なかなか点数が上がらない…」
こういう場合、「もっと問題を解かせよう!」と思われる方も多いかもしれません。
でも実は、「量を増やす」よりも、「振り返る時間を増やす」ほうが成績アップには効果的なんです。
MBAでは「PDCAサイクル」という考え方があります。これは聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。いわゆる、計画(Plan)→ 実行(Do)→ 振り返り(Check)→ 改善(Act)を繰り返す方法のことですね。
✅ 国語の勉強にPDCAを取り入れると?
Plan(計画) → 「選択肢の正答率を上げる」ために、「各選択肢の誤りの部分に×をつけていく」
Do(実行) → 実際に解いて、採点する
Check(振り返り) → 「なぜ誤った選択肢を選んだのか」を分析する(本文の読み違い?選択肢の理解不足?)
Act(改善) → 「選択肢の理解不足」であれば言いかえに注目して語句の意味を収集するクセをつけていくと決める
これを毎回繰り返せば、どんどん精度が上がっていき、成績もついてくるんです。
また、これは国語の「記述問題」でも同じように考えられます。ただ書きっぱなしにするのではなく、「どうやったら次は減点されないか?」を考えることで、成績アップにつながります。
③ 国語の勉強、全部やる必要ない!「効果の高い部分」に集中する(80:20の法則)
「時間が足りない…!」「やることが多すぎる…!」
こんなふうに、日々の勉強に追われていませんか?
実は、すべてを完璧にやる必要はないんです。
MBAでは「80:20の法則」という考え方があって、「成果の80%は、重要な20%の努力から生まれる」と言われます。
つまり、「成績を伸ばすのに本当に大事な部分だけに集中する」ことが効率的なんです。
✅ 国語の勉強で「最も効果の高い部分」を見極める(点数に直結する部分を見極める)
選択肢問題のミスを分析する
→ 「よく間違える問題のパターン」を見つけて、そこに集中する記述問題の減点ポイントを把握する
→ 「主語抜け」「理由不足」など、共通するミスを修正するだけで点が伸びる語彙を優先的に強化する
→ 「文章が読めない」原因の多くは、語彙不足が原因。読解より先に、語彙力アップを優先する。
全部やろうとすると、時間も労力も足りません。「成績アップにつながる部分だけ」にエネルギーを集中しましょう!
乱暴な言い方かもしれませんが、点数を取ることが最重要であって、その中身は人それぞれです。記号で取りきって記述が空欄の70点と記号がボロボロだけど記述がしっかり書けて60点であれば、入試においては前者がよいわけです。最終的な目標である「合格」に直結した努力をしていきたいところですね。
まとめ:「勉強量」を増やすより、「戦略」を変える!
「国語が伸びない…」と悩んでいるなら、ただ問題を解き続けるのではなく、勉強のやり方そのものを見直してみることが大事です。
MBA流・成果の上がる勉強法
✅ 目標(KPI)を具体的に決める(どの分野を、どれだけ伸ばすか?)
✅ 「振り返り」を習慣化する(PDCAサイクル)(問題を解いた後、「なぜ間違えたのか?」を考える)
✅ 全部やろうとせず、効果の高い部分に集中する(80:20の法則)(語彙・ミス分析・記述の型を優先)
中学受験は、「がんばれば報われる」世界ではなく、「正しい努力の仕方」が大切。
お子さんの勉強を「マネジメントする」視点で、ぜひ効率よく成績を伸ばしていきましょう!