「教材を教える」と「教材で教える」—その違い、意識していますか?
「この教材、しっかりやったのに成績が伸びない…」
そんな経験、ありませんか?
実は、「教材を教える」のと「教材で教える」のはまったく違います。特に国語では、この違いが大きな差を生むんです。
教材を教えるだけでは意味がない
教材をこなすこと自体が目的になってしまうと、学びが浅くなります。
✅ 「この問題の答えはこれ!」で終わらせる
✅ 「この文章はこういう話だよ」と説明して満足する
✅ 「解説を読めばわかるよね?」と流してしまう
こうした教え方では、生徒は「目の前の問題」は解けても、新しい文章や応用問題に対応できません。
教材で何を教えるのかが重要
大事なのは、「この教材を使って何を教えるのか?」を意識すること。
📌 記述問題なら「考え方の型」を教える
→「答え方のパターン」を学び、どんな文章にも応用できるようにする。
「問われていること」から「答える形」を考えさせる。たとえば、「違いを答えなさい」と言われたら「Aは…だが、Bは~。」という対比の形にする。
📌 読解問題なら「読み方の手順」を教える
→ただ読ませるのではなく、「どこに注目するか?」を意識させる。
主張はどういう部分に出てくるか、どんな文末表現に注目するか…など
📌 語彙問題なら「使い方」まで教える
→意味を覚えるだけでなく、実際に使う練習をする。たとえば、「驚く」という心情は「予想外のことが生じたときに生まれる気持ち」だということを自身の体験に引き付けて考えさせる。
教材はあくまで「ツール」。それをどう使って「思考の仕方」「読み取り方」を教えるかが、国語の力を伸ばすカギになります。
国語は特に「何を教えるか」が問われる科目
国語は、「答えを暗記すれば点が取れる」科目ではありません。文章を読んで、考えて、答えを導く力が必要です。
だからこそ、「この教材で何を考えさせるか?」を意識しないと、本当に力はつきません。
✅ 記述問題で「どんな情報を抜き出せばいいのか?」を教える
→どこに注目すればその情報にたどり着くのか。
✅ 選択肢問題で「ダミーの作り方」を知る
→出題者のひっかけの定番パターンを学ぶ。
✅ 漢字・語彙の学習で「意味をどう使うのか?」を考える
こうした学習を積み重ねることで、どんな問題にも対応できる「読解力」が身につくんです。
でも、内容を読み取ることも大事
「どうやって読み取るか?」が分かって初めて内容により踏み込んでいくことができます。ここで重要なのは、テクニック的なことに終始するのではなく、テクニックを利用してより深い内容を読み取る手助けをすることです。
例えば…
🔹 登場人物の気持ちを読み取る問題 →「どんな表現に注目すればいいのか?」を考えさせる
🔹 筆者の主張を問う問題 →「どの部分が核心なのか?」を意識させる
🔹 要約問題 →「大事な情報をどう整理するか?」を学ばせる
ただ「読みなさい」と言うのではなく、「どう読めばいいのか?」から具体的に教えることが大切。
まとめ:「教材を教える」と「教材で教える」の違いを意識しよう
✅ 教材を教えるだけでは、知識の暗記で終わる
✅ 教材で考え方を教えることで、応用力がつく
✅ 国語は「何を考えさせるか?」を意識すると伸びる
✅ 「どう読み取るか?」を教えることで、文章の理解力が上がる
教材は道具。それをどう使うかで、学びの深さが変わります。
「国語の勉強、何をすればいいの?」と迷ったときは、ぜひ「教材を教える」のではなく、「教材で何を教えるか?」を考えてみてください😊
著者:平川 聖二
中学受験の国語指導歴20年。のべ500人以上の生徒を指導し、私立・公立中高一貫校の入試問題作成・模試採点・教材開発にも携わる。大手塾にて開成や女子学院コースの国語科責任者を歴任し、現在も大手進学塾の志望校別コースの国語科責任者として教壇に立ち、受験生を指導中。「出題者・採点者・指導者」の視点から、「得点につながる国語の方法論」を日々追求している。
またオンライン個別指導塾を経営し、生徒一人ひとりに合わせた指導を実践。さらに、MBA取得を活かした「戦略的学習法」 も研究し、「受験コンサル」として効率的に成績を伸ばすアプローチを発信中。
「国語は『なんとなく勉強』では伸びない。正しい考え方と解き方を知れば、誰でも点が取れる科目!」をモットーに、このnoteでは、すぐに使える国語のコツ をお届けします。