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「トラブルはいいことだよ」—新人時代に刻まれた、#心に残る言葉

新人時代、仕事の重さに押しつぶされそうになったことを覚えています。初めて任された仕事で、次々とトラブルが起きました。お客からの書類の間違いの指摘、納期の遅れ、社内調整の難航。いま思えば大した問題でもないのですが、経験が浅かった自分には、まるで自分が仕事をするたびに問題を引き起こしているように思えました。

「自分はこの仕事に向いていないのかもしれない」
そんな考えが頭をよぎる中、当時の上司からかけられた言葉があります。


「トラブルはいいことだよ。君が仕事をしている証だから」

その一言を聞いたとき、正直最初は驚きました。「トラブルがいいこと?」と、少し信じられなかったのです。でも、彼は続けてこう言いました。

「営業の仕事はトラブルを起こすこと、そしてそれを解決することだ。何も起きない仕事なんて、誰でもできる。君がトラブルに直面しているということは、君が仕事をしている証だ。それが嫌なら、さっさと辞めた方がいい。」

一見厳しい言葉に聞こえましたが、そこには深い優しさがありました。「君の仕事は意味があるんだ」と評価されているように感じたのです。誰かが手を動かさなければ、トラブルは目に見えないまま放置される。その誰かになることの重要性を、私はこの言葉から教わりました。


問題を恐れないという選択肢

それ以来、私は問題を「嫌なもの」と考えることをやめました。むしろ、問題は解決のしがいがあると考えるようになったのです。もちろん、大きなトラブルに直面すれば、不安やプレッシャーを感じることは今でもあります。しかし、そのたびに「これも仕事の一部だ」と自分に言い聞かせると、不思議と冷静に向き合えるようになります。


オランダ移住という「新たなトラブル」への挑戦

あのとき上司は「トラブルを楽しめ」と教えてくれたのだと思います。その言葉は、私のキャリアだけでなく、私の人生全般に深く根を下ろしています。たとえば、今年家族とともにオランダへの移住を決断したのも、その延長線上にあると感じています。

異国での生活には、文化の違いや言語の壁、新しい環境への適応といった多くの困難が待ち受けています。でも、私はそれらを「トラブル」としてではなく、「挑戦」として捉えています。あの新人時代に学んだ「問題と向き合う力」が、今でも私を支えているからです。


最後に

この言葉をくれた上司には、今でも感謝しています。とても厳しい人で、いまの基準でいえばパワハラに近い扱いを受けましたが、今でも思い出すのはあの時の言葉です。その一言が、今の私を支える軸となりました。

もしこの記事を読んでいる方が、仕事で悩み、トラブルに押しつぶされそうになっているとしたら、ぜひ思い出してほしいことがあります。

トラブルが起きるのは、あなたが「動いている」証です。誰もが嫌がるその問題に向き合うことで、あなた自身が成長し、強くなるのだと。

あなたの仕事が必ず誰かの助けになっています。そのことを忘れずに、今日も一歩を踏み出していきましょう。

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