代替行動の選択

今回は、問題行動をやめた代わりに行う「代替行動」についてです。依存症者は、問題行動が趣味でした。暇があったらやりたいことは問題行動。嫌なことがあったらやりたいことは問題行動。頑張ったご褒美は問題行動。そんな生活だったはずです。しかし、問題行動が露呈し、依存症者として治療を受けなければならない状態になったら、やめなければなりません。生活のすべてだった問題行動を失ったとき、依存症者は代わりに何をすべきでしょうか?

きわどい代替行動

それ自体に依存性のあるもの

ギャンブル(競馬、パチンコ、FXなど)やアルコールなどを代替行動にしてしまうのは良くないと思います。それ自体に依存性があるので、のめり込んでしまう恐れが出てきます。依存症者はただでさえ、何かしらに依存しやすいという特性があるのですから、自ら依存性の高い物質や行為に手を出すのは慎むべきでしょう。

嗜癖と関連しているもの

アルコール依存症の方が、ノンアルコールビールを飲むのを趣味にするのは適切ではないように思います。それ自体はノンアルコールですが、アルコールへのとらわれから逃れられていませんし、飲酒欲求がむしろ強まると思います。

性依存症(性犯罪)の方が、風俗通いやキャバクラ通いを趣味にするというのも適切ではありません。たしかに、それ自体は犯罪ではないかもしれませんが、性のとらわれから逃れられていませんし、性的な欲求が強まって、再犯・再発の危険が増すと思います。

おすすめする代替行動

以下がおすすめです。

  • 運動(散歩、ジョギング、サイクリング、ヨガ、テニス、卓球、バドミントン)

  • 芸術(楽器演奏、音楽鑑賞、美術鑑賞、映画、読書、スポーツ観戦、写真撮影)

  • 旅行、登山

  • 創作(執筆、絵を描く、料理、裁縫、日曜大工、工作)

  • 日記を書く

  • ペットを飼う

私が特におすすめするのは運動と読書と創作活動です。この3つは本当にオススメで、今の私の生活の中心でもあります。

とくに運動はおすすめです。大方のデイケアプログラムに運動が含まれていることからも分かる通り、運動の精神面でのメリットはとても大きいです。ストレス、不安、うつ、ADHD、依存症、ホルモンの変化、加齢に対する良い影響があることが知られています。(詳細は下記書籍をご覧ください)

有酸素運動と無酸素運動をバランスよくやる方がよいと思います。有酸素運動はランニングがいいでしょう。無酸素運動はジムに通ってウエイトトレーニングをするか、自宅で腕立てふせ等の自重トレーニングをオススメします。
読書は、なかなかハードルの高い趣味かと思いますが、慣れてくると心地よいものとなります。なにより人生の幅が広がりますし、対人関係においても読書していると会話のタネに困りませんから良い影響があります。私は本の印象に残った部分をノートに書き写すということをしているのですが、そのノートを創っていくのも楽しいですし、読み返すのも楽しいですよ。

note作成は個人的にとてもおすすめです。自分の気持ちを文章にして公開することは、よいアウトプットだと思います。

以上となります。

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