マエダ リクト

組織開発・人材育成の仕事をしています。企業の人材育成方針、教育体系、集合研修などの設計・開発を生業としています。

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最近の記事

キャリア自律は終わりを迎える ~「自律」から「共創」へ企業はシフトせよ~

かつて、昭和からバブル崩壊後まで、日本企業は終身雇用が前提として社員のキャリア形成が図られていた。 いわゆる「会社主導型」で社員のキャリア形成が行われてきた。 しかし、それはポスト(役職)を餌に、社員のモチベーションを引き上げていたため、結局は「課長代理」「部長補佐」「係長心得」などといった、一見良く分からない役職が増えていき、最終的には日本企業の競争力が失われた。 そこで出てきた考え方が「キャリア自律」「自律的キャリア」である。 「社員は会社に頼らず、自らのキャリアは自

    • 企業においてダイバーシティが進まないのはなぜか?

      ダイバーシティーという言葉が取り上げられたのは、10年前くらいからなのか? 10年経った今でもなお、企業の人事施策を考える上で重要なキーワードであることは変わらはない。 最近では、「人権の問題」としてではなく、「企業戦略の一部」として、ダイバーシティーが取り上げられている傾向がある。 これからの企業では、過去の延長線上の成果ではなく、より創造的・革新的な成果が求められいるのであるのだから、多様な価値観・多様な意見を積極的に取り入れて、商品開発・サービス提供に活かしていくこ

      • キャリアはデザインしてばかりでは意味がない。

        大手企業では、30歳40歳50歳といった節目で、いわゆる「キャリア研修」が実施される。 一般的に研修では、将来なりたい姿(want)や、会社からの期待(needs)、今できること(seeds)といった観点で、将来像とそれを実現するための方法をデザインして、おしまいという流れである。 果たしてそれで、自分のキャリアビジョンを達成できた人は何人いるのだろうか? 私の知る限りでは、キャリア研修のおかげで、良い職業人生が送れたという人は見たことがない。 こらからの時代は100

        • インストラクショナルデザイン(ID)という考え方

          教育業界で働いている以上、研修(集合・オンライン問わず)というものを企画・設計することが多々ある。 その際に、「受講生をびっくりさせるような演出にする!」、「ゲーム中心で構成させて飽きないようにしよう!」などといったことも大切だけど、『そもそも教育として意味があるのか?効果があるのか?』ということを考えないといけない。 その際に大切なのは、「インストラクショナルデザイン(以下、ID)」という考え方である。 IDとは、いかに受講生が「主体的」「能動的」になり、教育・研修自

          「ロジカルシンキング」が軽視されてきているけど…

          平成の時代、社会人に必要な能力として「論理的思考(ロジカルシンキング)」が注目を浴び、大企業を中心として、社員教育の一環として研修が多数実施されてきた。 今もなお、ロジカルシンキングは社会人に必要な能力との位置付けは変わらないとしても、その優先順位は下がりつつあると感じる。 ロジカルシンキングの代わりとして、創造的思考、クリエイティブシンキング、アート思考、水平思考、デザイン思考、右脳思考などなど、いわゆる「ひらめき系」を重要視する教育が最近は増えている。 もちろん、こ

          「ロジカルシンキング」が軽視されてきているけど…

          「Nudge」を実践するマネジメント

          最近CMや書籍で目にすることが多くなった言葉である「Nudge(ナッジ)」。 行動経済学の分野で取り上げられている言葉であるが、辞書で調べると「肘で軽く付く」という意味らしい。 この「Nudge」という考え方を取り入れて、例えば、男性の公衆トイレでは、便器の上段に何かしらのマークが付いていることで、そこに目掛けて・・・という行動をとってしまうことで、トイレを汚さずきれいに使うことが自然と実践されてします。 そんな、人間の行動をいい感じにうまく促すという考え方は、実は職場

          「Nudge」を実践するマネジメント

          リモートワークにおける「マネジメント」とは?

          コロナになってリモートワークが普通に浸透してきました。 特に大企業を中心として、部下・メンバーとは、基本Zoom・Slack・Teams etcでしかコミュニケーションを取らないということは当然となってきています。 リモートになって早1年半。 マネジメントの側面でも、シニアメンバーのZoomの不慣れ、チーム全体のコミュニケーションの量といった課題は、徐々に解決されつつあると感じています。 一方、解決されていない課題として、一番に思い付くのは「『メンバーの気持ち』を、マ

          リモートワークにおける「マネジメント」とは?