株式会社リストラ
リストラされ仕事を探していた。
彼女からの電話。「面白そうな会社の求人を見つけたわよ。どうかな」
「そのまんまの名前だね。暇つぶしに応募して見るよ」
面接の日がやってきた。軽い気持ちでその会社に向かった。
通りいっぺんの雑談のようなやりとりの後、何か質問はありませんかと尋ねてきた。
「では、ひとつお聞きしたいのですが、入社して何日でリストラされるか、平均的な期間を教えて頂きたい」
「あなたは我が社がどんな事業をしているのかご存知ですか。」
「いや、どんな仕事でもするつもりで応募しましたので、仕事内容には特にこだわっていません。」
「こまりましたね。ひょっとして我が社が『リス』と『虎』に関する専門商社であるのをご存知ない! 面接はこれでおしまいです」
すごすごと会社を出てから彼女に電話していきさつを話した。
「え、そんなことも調べずに面接に行ったの?!本当にバカね」
それっきり彼女と連絡が取れなくなった。このリストラはきつい。