❖映画:オッペンハイマー
大好きなクリストファー・ノーラン監督の最新作、アメリカで公開された当時は日本での上映はないだろうと個人的に諦めた作品だ。
上映時間は3時間、登場人物の人間関係が複雑に入り組んでくるので見るポイントを誤ると台詞の意味がわからなくなってしまう。
鑑賞し終わってから思ってしまうのだが、あまり登場人物に注意しながら見ない方がいいのかもしれない。正直、私も正確には人間関係を把握できていない。あの人、誰だっけ???初見はそれでいいと思う。
この映画を何と表現したらいいのか、まだわからない。
消化不良状態だ。
C.N監督らしく、時間軸と画像の色(カラーと白黒)をいじってくるのでメメント的でもあり、エントロピーの拡大の観点からはTENET的でもあり、史実を取り扱っておきながら、これまでのC.N監督作品のいいところをミックスしたような作品だった。(と言っておいて、まだわかっていない)
何かを対局にする表現、表と裏、明と暗、主観と客観、内面と外面、個人と社会・・・C.N監督らしい表現が画像で描かれる。
ネタバレになるので詳しくは書かない(書けない)が、アルベルト・アインシュタインとロバート・オッペンハイマーのやり取りが本当に面白い。
それは物語の核心なのかもしれない。
才能、時間、進歩、陳腐、過去、未来、現実・・・過去の栄光なのか、将来への漠然とした不安なのか、科学の進歩への危惧なのか。
水面に落ちる雨を見つめるオッペンハイマーの姿は孤独であり、悲しかった。
余談だが、エンドロールを見てゲーリー・オールドマンが何役だったのか知って、失礼だが笑ってしまった。
もう少し深く知るために原作を読んでみることにする。