❖野鳥撮影:私が好きな野鳥Vol.2
Vol2:ジョウビタキ♂
ルリビタキと違った鮮やかさがある。
鳥の世界は、♂が鮮やか、♀が地味な色をしている。
人の世界は、その逆?最近は違うか。
鳥の世界では、♂は♀の気を引くために目立ち、♀は子孫繁栄の貴重な存在であり外敵から視認されにくい色をしていると勝手に理解している。
余談だが、渡り鳥の場合、毎年同じつがいになるとは限らない。
♂が先に渡ってきた場合、♂は前年の♀を待っているそうだ。
同じ♀が渡ってくるのか、そもそも生きているのかわからないのに。
♀は待つことなく、子孫繁栄の活動をするそうだ。
生物として遺伝子を残すためとは言え、自然界は厳しい。
余談ばかりで恐縮するが、ルリビタキ♂は幼鳥の時は♀とよく似た姿形となる。事実、私も何回も誤認したことがある。生き延びるための♂の本能なのだろうか。
Vol.1のルリビタキとジョウビタキだが、同じエリアで生息していることが多い。当然起こるのが縄張り争いだ。
鳥は自分の縄張りを主張するために鳴いている。
どちらかと言うとジョウビタキ♂の方が狂暴で、相手が♂だろうと♀だろうと爪を立てながらライダーキックで排除しようとする。
鳥の脳みその大きさは目の大きさ位だと聞いたことがある。
鳥の記憶力がどの程度なのか、わからない。
人の勝手な解釈なのだが、私の経験上、ジョウビタキ♂の記憶力は比較的いいのではないかと思っている。
野鳥撮影の時、人は鳥の縄張りの中に入っていく。
紫外線が見える鳥に人がどのような姿で見えているのかはわからないが、何か自分より体の大きい生物が縄張りに侵入してきたことはわかるだろう。
当然、鳥は鳴き声で威嚇してくる。
人は人で鳥に危害を加えるつもりはないので、黙々と野鳥撮影に没頭する。
それを数回繰り返すと鳥の方から近寄ってくることがある。
しかし、万人に同じ行動をするようでもなく、鳥は危害を加えない生物の個体を認識しているのではないかと思う。
勝手な解釈だが、挨拶に来てくれるように見える。(あぶない人?)
2m以下の距離に近づいても逃げないようになる。不思議なものだ。
そもそもジョウビタキは冬に渡ってきた後、市街地の公園、住宅地、農地、一軒家の庭などにいる。
人に近い距離で生きているので、人に慣れてしまっているのだろう。
先日、ジョウビタキを撮影に電車とバスを乗り継いて出掛けた。
思うような写真が撮れずに帰宅していると、近所の公園でジョウビタキ♂が鳴いている姿を確認してしまい、とても侘しくなった。
私の知り合いは、ある珍しい鳥を撮影に大阪まで出掛けたのだが、東京に戻ってきてから近くの公園に行くと、その鳥が池の水面を優雅に泳いでいたそうだ。
野鳥撮影を趣味とするものの常である。
ジョウビタキは約2,000Km離れたチベット・中国・ロシアから渡ってくる。
どうも同じ場所に戻ってくるそうだ。
しかしながら、どのような能力を使って同じ場所に渡ってくるのか、実はまだわかってないらしい。
太陽の位置?星座の位置?磁気?目視?不思議で仕様がない。
小さい野鳥だが、凄い野鳥なのだ。