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12月21日(土)備忘録

銀座へ。昔の教え子(現アラサー女子)に誘われて。
11月下旬なみの気温だということで、チロリアンジャケット、黒いタートルネックのセーター、黒いズボン、黒いハンチング帽、明るい真紅のマフラー、同じ色の靴下、黒い靴といういでたち。教え子に恥をかかせるわけにもいくまい。


中島通善回顧展

16時、泰明小学校の前で待ち合わせ、画廊「銀座アートホール」に行く。
中島通善回顧展を観るためだ。
木版画。木目を活かして、透明感あふれる一見リアルなくせに幻想的な世界観を描いている。

それにしても、このような画家を見つけてきて、僕に教える=世にひろめる、彼女の能力に脱帽する。学校で教えていた頃は覚醒していなかった才能である。

でもおそらく仕事ではストレスを、自分でも気づかないところで感じているのだろう。
繊細なひとだから。
休み休みしながらマイペースでね、と思う。
彼女のような人間がもっと活躍できる社会になれば良いのに、と思う。


ワインバー

彼女が、生前の中島通善氏と出会った場所だという、ワインバーに行く。
所狭しと空き瓶が並ぶ。
雑居ビル4階の小さな隠れ家。
美味しいシャンパンを飲んで、思わず「あっ」と声が出た。

彼女が昔話をする。
自分はほんと何にもできなくて、いつも他人にお世話になっていて、あたしってダメだなと思っていて、昔、そう西願に言ったら、西願から、貴女は貴女を助ける能力のある他人と関係を持つことができるという能力があるのだよ、と教えられたー。
たしかに僕が言いそうな話である。


せり鍋

その後、彼女が予約しておいてくれた仙台料理の店「三代目文治銀座本店」に行く。
エイヒレと鯖の炙りをつまみに仙台の地酒を飲みながら、せり鍋を待つ。
鍋は鶏肉とせりだけのシンプルなもの。
ところが、このせりがすごい。根っこが長い。
冷たい水で細かい根っこの土を洗い落とした方の苦労を思う。
おかげさまで、せりを堪能する。
やさしい香り。そしてやわらかい歯ごたえ。たくさん頬張っても、決して口の中でモソモソしない。むしろ溶けていく。
シメは蕎麦で。この蕎麦がまた綺麗であった。つるつる光っているのだ。


銀座8丁目のバー

その後、ふたりの行きつけのバーへ。
彼女は満寿泉を(日本酒が置いてあるバーなのです)。
僕はサイドカー、そしてオーバン。

最近何かかわったことはないかという話になり、
僕がある立ち飲み屋で年上の女性からゲイと間違われたという話をする。
彼女「だってゲイだもん。」
僕「違うわい。」
僕の左隣にいらした中山美穂と同い年のマダム「女性が『彼はゲイ』というときには三つのポイントがあるの。①おしゃれ。②女性に慣れている。③女性に親切。そういうひとがゲイだって言われるのよ。」

楽しい笑い声につつまれて、僕は土曜の銀座の夜を満喫したのでした。
ありがとう。

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