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2024年11月12日の日記

2024/11/12
朝番。品出しを終えてブックエキスポ(一年でもっとも大きな商談会)へ向かう。開始時間まですこし時間があったので、TSUTAYAイノゲート店をのぞいてみることにした。大きなガラス張りの窓に囲われたフロアに、ラウンジ・コンビニ・ビジネス書のコーナーが配置されている。ラウンジでは1500円/hでドリンク・お酒が飲めるようになっていて、購入前の本を3冊まで持ち込める。最近、書店カフェ併設問題を耳にすることはほとんどなくなった。読めば買ってくれるという期待感をもつ人は、はたしてまだいるのだろうか。
壁面には背の高い棚がずらっと並び、洋書や大判本が面陳されている。私が滞在するあいだ、誰もその棚に手を伸ばすことはなかった。
「おすすめの1冊」というコーナーに百田尚樹・有吉香『放送禁止。』が並んでいて愕然とする。最近あんな話題があったばかりなのに、担当者は何も知らないのだろうか。知った上で並べているのもアレだが、知らずに並べているのならもっとたちが悪い。ただ、これは裏を返せば、SNSでどれだけ話題になっているニュースであっても知らない人はずっと知らないままであり、これもフィルターバブルの一つなのかとも思う。そう考えるとますます落ち込む。時間が迫っていたので、暗い気持ちで会場へと向かった。
5~6時間かけて目星をつけていたブースはほとんど回り、元同僚や先輩にも会うことができた。トークイベントを企画したり出演したりと忙しくなかなか周りを見る余裕もなかったが、仲間や先輩からは「めっちゃ頑張ってるね」と声をかけてもらえて嬉しかった。見てくれている人はちゃんといる。まだまだ頑張れそうだ。閉会前、さすがにそろそろ疲れてきたので会場の隅で休憩していると、toibooksの磯上さんと本町文化堂の嶋田さん・三木さんとばったり出くわした。「一杯だけ行きましょう」と近くのミュンヘンへ。ハーフ&ハーフを飲みながら、お互いの近況、関西本屋フェスの第二弾、今年のベスト本などについて話す。早くも年末の気分に浸りはじめている。

谷垣

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