『ファミリーヒストリー』が聞こえる!
物語、それも勝者の『ヒストリー』が聞こえて来る。
北京オリンピックたけなわ。
日本選手の活躍も何より。
ただ聞こえて来るのは勝者、『金・銀・銅』メダルを獲得した選手の家族の物語『ファミリーヒストリー』。
それはそれで心打つものがあるが、敗者には敗者ならではのとても表現しきれない『物語』があるはずだ。
しかし『敗者』である限り『物語』は語られることはない。
羽生選手がなお語られ続けられるのは勝者であった彼がなお勝者であり続けようとして一瞬の間に敗者へと落下されたがゆえ、その『劇的な変化』への
『悲劇の同情と共感』からだ。
彼だけが『勝者』であり続けることの可能な『唯一無二』の存在と言える。
本当の意味の『伝説』となった。
他の敗者はこうはいかない。
勝たねばならぬ。勝者であり続けねばならぬ。
『ヒストリー』は『悲劇』を好む。
悲しくも残酷な『人間の性』かもしれぬ。