息子の心のなかに住む「うみキリン」について
なんだか急に忙しくなって、noteが随分とご無沙汰になってしまった。
しばらくわりと暇な日が続いていて、のんびりした生活になれてきて、こんな日々もなかなかいいじゃないか...やっぱり、ゆとりのある日常が一番と思いかけていた矢先の急変!
これだから、フリーランスはおそろしい。笑
というわけで、仕事に弄ばれてる感のある今日この頃。
そんな日々の中でも、下の息子とのお風呂と寝る前の振り返りタイムが私の癒やし時間だ。
小4の上の息子は、もう、私とお風呂に入るのは卒業してしまった。
サッカーのある日は、練習の後、そそくさと1人でお風呂に入ってしまう。何もない日も、自分でお風呂を洗って家族で一番に入浴するという自立っぷり。(頼もしいの半分、ちょっと寂しいの半分)
だから最近は、下の6歳の息子と2人でお風呂に入ることが多い。
お風呂では、湯船に浸かりながら、息子がクイズを出してくれるのがお決まり。
でも、その日のクイズは、いつもと少し違った。
🦒🦒🦒
「ねぇ、ママ、なんで海に波があるのか分かる?」
えーっと、「うーん、そうね。むずかしいね…」
そう言えば何でだっけ、、、?
私の頭の中が忙しく動き出したタイミングで、息子が得意げに言った。
「あのね、それはね、”うみキリン”がいるからなんだよ!」
えっ、うみキリン....!??
月による潮汐力だとか、ちゃんとした答えを期待されているのか?と思っていた私は、拍子抜けした。
キリン、麒麟? ”うみキリン”って一体なんなんなの~~??と、頭の中にハテナマークが広がる。
🦒🦒🦒
「あのね、うみキリンはね、誰もみたことがないの。でも、うみキリンが、ガオーって大きな声で叫ぶとね、波ができるの」
「うみキリンはね、海の深いところに立ってるの。それでね、海鳥は会ったことがあるんだよ」
「あとね、うみキリンって何を食べてるか知ってる??」
”うみキリン”ってのが、まず初耳だしね。知るわけないよねーと思いつつ答えてみる。
「えっっと、魚…、かな??」
すると、私が間違えたのが嬉しいのか、鼻を膨らませて息子が答える。
「ブブッーーー!! うみキリンはね、海に浮かぶものを何でも食べるの。だから、うみキリンが通った後は、海がきれいになるの」
「えー!!それはすごいね。そしたらさ、海に浮かぶプラスチックごみとかも食べてくれるじゃない。うみキリンすごいなー」
私は、うみキリンに感心した。本当に、うみキリンがいてくれたらいいのに。
「うみキリンの首にはね、お魚が卵をうんだりするの。ふかふかして気持ちいいんだ」
へぇーーー、うみキリン素敵だな。だんだん、うみキリンのファンになってくる。
しかし、うみキリンって一体、何なのだろう?
息子1人で考えたにしては想像力が豊かすぎる。
「もしかしてだけど、それって誰が教えてくれたの?保育園で読んだ絵本とか???」
「そうそう、そうだよーーー。みんなに人気で、なかなか読めないんだ。読めるとしても、ぼくが読めるのは、すごく短い時間」
そうだったのかー。スッキリ!
うみキリンが息子の心に住んでいることが、そして、うみキリンの話が素敵すぎて、私もどうしても、その絵本が読みたくなった。
🦒🦒🦒
さっそく図書館で本を借りてくると、息子はとても喜んでくれた。保育園では、なかなかこの絵本を独り占めできないから、嬉しかったようだ。
こちらが 『うみキリン』あきやまただし作
あきやまただしさんは、息子が一時期はまっていた『へんしんトンネル』の作者さんだった。息子は『へんしんトンネル』シリーズが大好きで、随分たくさん読んでいたっけ。NHKの「はなかっぱ」の作者さんでもあるということがわかった。
私は、うみキリンが本当にいたらいいなと思った。
うみキリンがいる海は、お母さんに守られているような感じで、安心感につつまれている気がするのだ。
だから、ずっと、うみキリンが息子の心のなかに住み続けてくれるといいなと願った。
ここで、うみキリンなんていないよ、波はこんな風に起こるんだよと、科学的な知識を取り出して説明することは、とても野暮なことに思えた。
それにしても、はなかっぱとか、うみキリンとか素敵なキャラクターを生み出すあきやまさんの頭の中には、一体どんな生き物が住んでいるのだろう。
覗いてみたくなる。
もしかしたら、”うみキリン”みたいな存在を、私達は、失いすぎてしまったんじゃないだろうか。なんでもかんでも、それらしく説明しようとしすぎてるんじゃないか。
これからは、私も息子と同じように、そっと心の中に”うみキリン”を住まわせることにしよう。
そんなことも、ふと思った息子との会話だった。
🦒❤️
息子が、ハートの絵を描いてくれました。大きなハートがママのハート、その中にある小さなハートが僕のハートらしいです。
いつも、お小言の多いママだけど、素敵な絵をありがとう😊