ウマ娘はゲーム界の坂道シリーズか?なんだか多い共通点
4thイベント@ぴあアリーナが終わっても「ウマ娘」の勢いが止まらない。新キャラ追加に新アニメ制作、コミカライズも新作始動が決定し11月にはベルーナドームで4th追加イベントと、満漢全席のごときフルコースの様相だ。急速に二次元コンテンツ界の覇権を獲らんとしている。
この日の出の勢い、坂道を駆け上がるさまが全盛期の坂道っぽいなとふと思った次第。
共通点が結構あると思いまして、具体的には
・競合コンテンツ乱立期に登場
・当初の評判は海のものとも山のものとも
・それを覆して覇権を取った
といったところだ。
このプロジェクトのスタートは2016年。当時、艦これ・戦艦少女(アズールレーンはまだない)・女性向けなら刀剣乱舞と擬人化ゲームが隆盛期で、
アイドルゲームも老舗のアイマスにアクアにバトンタッチしたラブライブ、今も根強く続くバンドリにナナシスとライブを前提としたタイトルが群雄割拠の時代になっている。
そんな中で「競馬」をモチーフにしたウマ娘。が…当時はぶっちゃけ「イロモノ」としてしか見られてなかったと思う。
どーせよくある流行りに乗った擬人化コンテンツでしょ、的な。社台の競走馬の許諾が得られなかった噂もあってディープインパクトやオルフェーヴルなどの目玉キャラを欠き、
アニメ第1期の頃のソフトなど爆死と言われても仕方がない売れ行き。ゲームのリリースは遅れに遅れ、サグラダファミリアとも揶揄されるほどに。うまぴょい伝説も電波ソング以上の域を出ない評判だったと思われる。(最初期のPVなんかなんでルドルフとオグリキャップが氷上でアイスダンスしとんねん)
それが、去年のゲーム出走で作り込んだシナリオや進化した内容、競馬史へのリスペクトで評価が一転。ゲームや声優界隈を超えてスポーツ界にも波及し一気に流行コンテンツにのし上がる。今じゃ東京ドームのバックスクリーンの広告にウマ娘ちゃんが映る時代ですよ。
ライブもコロナ後の規制緩和に伴いキャパは増える、新衣装が次々お披露目と
サイゲームスの財力、組織力にモノを言わせて覇権コンテンツ化してきました。
初期にはトレセンの制服衣装くらいしかリアル衣装もなかったものが、共通衣装もどんどんグレードアップ。ゲームの方で勝負服のバリエーションも増えてきた。
キャラの追加も順調だ。メジロ一門のメジロラモーヌ、ナリタブライアンやマヤノトップガンのライバルとして実装が期待されてたサクラローレル、ウオッカの父タニノギムレットと既存ウマ娘と関わりある子も続々現れている。コパノリッキー・ツルマルツヨシ・ヤマニンゼファーなどはモデルの馬の馬主から初めての実装でもあり、ゲームの話題性と実績によってはさらに馬主の方々からも認めていただける可能性もあろう。欅坂にひらがなけやきとどんどんグループを追加していった様を思わせる。
モデルが実在し、現に存命の馬もいる「ナマモノ」の擬人化なんて上手くいくかよという空気感があった頃とは隔世の感がある。
二次創作を制約したのもかえって良かったのかもしれない。コロナの影響もあるが、艦これやアイマス程同人イベントは盛んでないにもかかわらずライトな層にまで広くヒットさせた。
乃木坂の結成も48グループの黄金期の2011年。48Gの他にもももクロなどのスタダ系やハロプロ、SUPER GiRLSなどのavex系やローカルアイドルがしのぎを削るアイドル戦国時代で、当時は海のものとも山のものともな印象。
生駒ちゃんがAKBと兼任させられたり逆にAKBから兼任メンバーが現れたり、バレッタで未央奈をいきなりセンターに抜擢したりと炎上気味の運営手法は当時オタじゃなかったけど覚えている。誰とは言わんけど大小の不祥事もあったし。
んで、それをななみん(橋本奈々未)・いくちゃん(生田絵梨花)・まいやん(白石麻衣)ら初期メンバーのストイックな頑張りで跳ね返して徐々に天下を取っていく。
また腐っても天下のソニーミュージックのプロデュースで、衣装その他の美的センスはアイドル界の中でも群を抜いている訳で。特に何度目の青空か?のあたりからはアイドルゲームなら全部SSR級の衣装を作ってきている。(「サヨナラの意味」の衣装とかがその極みの一例か)。絶頂期(2015~19頃)の財力・組織力・美的感覚は今見ても凄い。
48Gやハロプロや地下がスタンダードを占めていたアイドル界に坂道風という新しいスタイルを確立した成果は大きい。有象無象のグループ(コンテンツ)の一つで終わらないでここまで大きくなった、歴史を築いたという点は、ウマ娘も勝るとも劣らないだろう。
余談だがオグリの高柳知葉さんにメジロライアンの土師亜文さんなど声優陣にハロオタがいたり、推されてるキャラの1人のサトノダイヤモンドに元エビ中の矢野妃菜喜さんがいたりとリアルアイドルとの接点も少なくないのがウマ娘である(日向坂の影ちゃんもトレーナー公言してたりするし)。
既存の二次元アイドルものももちろん今もファンがついて続いている訳だけど、それらをなぞりながらも別のポジション(アキバ的文化とは縁遠い競馬)からメガヒットを成し遂げてしまったウマ娘。しばらくこの絶頂期が衰える気配は無さそうだが、果たしていつまで続くか?
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