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第1352回【nakaちゃんねる 圧巻人生達成プログラム】(2025/2/13)▲▲本物の「上司力」読後記、の話▲▲
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研修の素材に
本物の「上司力」という書籍を読んでいたのですが、
要旨をまとめてみました。
自分の備忘程度のメモですが。
①「メンバーを承認すること」とは、成功や失敗も含めてそのプロセスを認めメンバーの働きかけを称賛することと捉えています。当然上手くいかなかったアクションに対しては注意や指導も必要となりますが、あくまでも個別対応を行うこととし、全体の前では褒め称えることが極めて重要です。この称賛のプロセスを間違えてしまうと、メンバーのやる気を著しく削いでしまうこともあるのは企業内での上司・部下間の関係においても同様であると考えています。この流れは、現在日本の企業で軽視されてきた「働きがい」を底上げするものでもあり、やる気や働きがいを充足されたメンバーの方が自分の役割をコミットし、その目標に向けて邁進することを実感しています。
②「メンバーに役割を与えて責任感を持たせること」については、会社員時代の私の経験も踏まえ考察すると、人は組織の中では自意識的に自分の果たすべき存在価値を見出しにくいものである、と考えています。まずは、上司やメンバー長が個々の特性を充分に理解し、メンバーに見合った役割を任命し当事者意識を醸成させることが重要です。当事者意識を持ったメンバーは自責の精神で役割に立ち向かうため、自分が果たすべき役割や責任を全うしている傾向にあります。
③「他者貢献意欲を醸成する」については、組織にいる以上、他者に貢献しようとする『ギバー』と、他者の貢献にあずかろうとする『テイカー』が存在するのも事実です。まずは一人からでも良いので、上司やメンバー長の思いや理念を共有できる部下やメンバーを育て、組織貢献をコミットさせます。その貢献意欲を他のメンバーに伝播させ、相互貢献意欲を育てていくことこそが強靭な組織への近道と考えています。また、その意欲を高めるための個々の役割設定やモチベーションを醸成することこそが、本書で語られている「上司力」であるものと考えています。
ここまで私が現在直面している組織運営での経験を「上司力」とリンクさせて述べさせて頂きましたが、「上司力」を更に高めていくために必要とされるであろう考えや行動様式について私の感想を述べさせて頂きます。
1)上司はあくまでも役割を演じることに徹する
プレイヤー時代に大きな案件を達成するなど、現場対応力が高い上司ほど、マネジメント職に就いた後も自らが率先してプレイヤーになり、自己の価値観や考えを部下やメンバーに押し付けてしまう傾向にあります。部下の役割を明確にしたうえで、まずは部下に任せてしまう。そしてチームに停滞感が見えた場合には自らが先頭を切って雰囲気づくりをし、安心感を作ることこそが重要と考えます。極端な言い方をするならば、上司は組織での「ピエロ」のような存在であることも必要でしょう。喜怒哀楽を共にできる「戦闘リーダー」としての役割が必要です。
2)長期目線での育成を疎かにしない
企業によっては四半期決算開示などが求められる昨今ですので、チームにスピード感が求められていることは否めません。しかし、個々の成長を超えるスピード感をメンバーに要求し始めると、メンバーの徒労感ややらされ感が増幅することは間違いありません。今後の組織運営を任せていくべきメンバーであれば、年度単位での育成プランを本人と刷り合わせの上作成することが重要と考えます。
その際、本人の納得感を高め、その目標にコミットさせる必要がありますが、成果を性急に求めるのではなく段階的なステップを踏ませることが肝になると思います。その際に重要となるのが、「小さな三連勝」を積ませることではないでしょうか。自分の身の丈よりも大きなストレッチした目標を掲げることは大切である一方、一足飛びの成果を期待することは性急です。微細でも良いので、小さな勝利経験を身に付けさせ自信を持たせ、次へのステップにさせることが効果的であると考えます。
3)上司の生き様や考えにストーリー性を持たせ、共感を生む
本書の中でも語られていますが、上司が部下の共感を得るには「自己開示」が欠かせません。その中でも、上司自身が経験した失敗談などは共感を生む有効なツールになると考えます。マウンティングするのではなく、「あの上司もかつては自分たちと同じ道を歩んだ」という人間らしさを示すことで共感を部下に持たせ、距離感を縮めていくことが可能になります。
また、セールスの世界では「ストーリー作り」が出来る営業パーソンは例外なく成果を残している、という結果があります。周りで発生する出来事の解釈転換が上手で、自分の過去から未来を全肯定し未来に希望を持つ姿を示しているから、であると言われます。上司・部下との関係性においても、まずは上司が自分の仕事観や生き様を「ストーリー」化し語れるようにすることで、部下も自らの人生や仕事観を肯定的に捉えられるようになるものと考えます。苦境にあっても現状を肯定し、未来志向の考えを共有できる上司に信頼が集まるのではないでしょうか。
以上、私が本書を読んだ感想を自身の経験や考えを踏まえ述べさせて頂きました。コロナ禍以降、上司が求められる役割は多岐にわたり苦しんでいるマネジメント層が多く存在することは事実です。しかし、部下、特に若手社員にとっては自分の上司を選ぶことはできません。上司の生き様に大きく影響を受けることも間違いありません。だからこそ、部下の人生にも良き与えられる「指南役」であり「伴走者」としての上司を育成していくことが、企業にとっての宝になるはずです。私も、新卒で入社した際の上司の教えは今でも思い返すことが多々ありますし、「この場面であの上司はどう対応するだろう」と考えを巡らせることがあります。日本の企業が大きく立ち直っていくためにも、考えや生き方を共感し苦しい時も一緒に乗り越えられる上司をサポートしていくために、私も尽力したい。
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