第1050回【nakaちゃんねる 圧巻人生達成プログラム】(2024/4/16)▲▲抵抗勢力を作るのも崩すのも人間、の話▲▲
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元・カネボウ会長の
伊藤淳二さんがお亡くなりになっていたそうです。
伊藤さんといえばカネボウのイメージよりも、
『沈まぬ太陽』の国見会長のモデルの方が
印象深いものです。
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カネボウ凋落のきっかけを作ったとも言われますが、
山崎豊子さんの小説からは
国民航空の再建に向けた会長職への要請を
「国からの2回目の招集」と捉え、
畑違いの所縁のない企業の再興に
尽力した人、というイメージがあります。
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『沈まぬ太陽』をお読み頂ければ
お分かりになられるかと思いますが、
巨人である大企業そのものに立ち向かう
国見会長と恩地元の構図で描かれています。
まさに、巨象とアリの戦い。
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山崎豊子さんの小説全般の底流にある
コンセプトかもしれませんが、
大きな壁に立ち向かう際には
必ずや抵抗勢力が登場します。
『沈まぬ太陽』であれば、
国民航空の利権を貪る役員たち。
『不毛地帯』であれば、
戦争を背景にした国の存在。
『大地の子』であれば、
文化大革命下の中国の存在。
改革には
必ずや大きな壁が存在するものです。
その壁を崩すのも作るのも
実は人間だった、
という普遍の事実にハッとさせられます。
そして、その壁を崩そうとする人間ドラマに
どうやら私たちは人間は
魅了されてしまうようです。
しかしその当事者は、
ニューヨークの動物園の鏡の間に
「この世で最も凶暴な動物」と称されている
人間であることも間違いのない事実のようです。
以上、
今日も素晴らしい一日をお過ごしください。