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35年を経てなお新鮮な作品

私を本の世界に引き戻すキッカケとなり、老齢と言って良いお年を召された推しの佐伯センセが35年前に刊行された作品をようやく拝読した。
随分前から積読になっていた理由は、「読む減る」からだ。

そう、この世に良作を送り出す作家は沢山いるが、私の目に留まるのはその一部でしかない。
出逢ったら追う事になる。
そうするとこの世に溢れる他の作家・作品を見出す機会が減るのだ。
時間は有限である、そして読みたい欲求に駆られる気持ちも有限だ。
一人の人間が、読みたい気持ちが溢れている時に出会える作品など多寡が知れている。
そう考えると読むよりも先に焦りが生じてしまうのだ。

結果、積読が積み上がっていく。
文庫本だけでなくサラリーマンとして生きていくために、貴重な時間を技術書やビジネス書にも割く必要があるのだ。

そんな訳で、最近は書店に積読を買い求めに行く事をできるだけ控え「読む」ためと「推す」方向に舵を切り始めた。

前置きが長くなったが、そんな理由で随分前に手にしたにも関わらず、ようやくこの一冊を紐解き、そして無事に閉じる事ができた。
そこには35年を経てもなお、ワクワクする厨二病の作家と読者の姿が目に映っていた。

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