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旅にフレーム♯2 『シガーロスに憧れて』
わたしにとって忘れられない旅のひとつ。
2019年に一人で旅したアイスランド。
「旅にテーマをつくろう」がコンセプト、
旅にフレームシリーズ第2弾はアイスランド編。
この記事を読めば、きっとあなたも
アイスランドに行きたくなる。
【所要時間目安:約10分】
※本記事は2019年時の旅行記です
1.タワレコでシガーロスに出会う
2008年ごろのお話。
きっかけは、ある1枚のCDジャケット。
月に1度、タワレコ難波店で新譜を試聴するのが
当時の私の密かな楽しみのひとつでした。
洋楽の視聴コーナーで新譜をチェックしてると、
すごく気になるジャケットを見つけた。
ヘッドフォンを装着した瞬間、衝撃が走った。
(コユキがダイブリの音楽を初めて聴いた時くらい)
紹介文を見ると『Sigur Rós(シガーロス)』
という、アイスランドのバンドらしい。
以降私はシガーロスのすべてのアルバムを購入し、
聴き漁ることになります。
ちなみにこの写真を撮影したのは、
ライアンマッギンレーという写真家。この時から、
私の好きな写真家No.1に君臨し続けています。
彼の写真が私の写真を終わらせた(笑)
(私の撮りたい写真のすべてがあった。)
超かっこいいのでwebsite⇩見てください!
2.HEIMA
晴れて、シガーロスは私の推しになったのですが、
中でも、アイスランドでのライブツアーを収めた
ドキュメンタリーDVD「HEIMA」にハマった。
アイスランドの美しい風景と、シガーロスの音楽が
シンクロする…激しく心を揺さぶられた。
いつか、アイスランドのリングロードを、
シガーロスを聴きながらドライブすることが
私の夢のひとつに加わった。
あれから10年が経ち、念願のアイスランドへ。
この国に滞在したのは6日間。
全く旅慣れしてない男の、無計画旅。
この記事を読んでくださる方は、
ぜひApple MusicやSpotifyなどで、
シガーロスを聴きながらご覧くださいませ。
https://youtu.be/nlVA_e6WQhw?si=5Uqjb4xCaDki1uuW
3.アイスランドってどんな国?
アイスランド共和国
■首都:レイキャビク
■人口:約38万7,758人
■面積:10.3万km²
■人種・民族:アイスランド人
■言語:アイスランド語
■通貨:クローナ
【基本情報】
北大西洋上に北極圏に接して浮かぶ北海道と四国を合わせたほどの島国。多くの火山と豊富な温泉、そして氷河とフィヨルドが織り成す大自然の景観が展開する「火と氷の国」
【気候】
私が訪れたのは7月。氷の国アイスランドですが、
この時期は夏。気候は過ごしやすく、
平均気温は10〜15℃ほどです。
撮影した写真を見ると、どんより曇り空が多い。
雨がよく降るし、防寒雨対策の装備が必要です。
【移動手段】
自由気ままに旅するならレンタカー移動がおすすめ。
左ハンドルの右車線ですが、唯一の幹線道路である
リングロードは基本一本道で走りやすいですし、
運転に慣れていれば問題ないと思います。
ただ、ハイランドは注意が必要!(後述します)
【物価とお金】
物価は日本の約2倍。ファーストフードの
セットメニューで2000円弱だったと記憶してます。
普通にカフェやレストランで外食すると割高かも。
ちなみに滞在中に現金は一度も使いませんでした。
小さなお店もすべてクレジット決済です。
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4.旅の目的
目的①シガーロスとドライブ
コペンハーゲン経由でケプラヴィーク空港へ到着。
空港を降りてすぐ、レンタカー屋へ直行。
私は英語が話せないので、適当な
コミュニケーションをとることになる。
お兄さんに早口の英語で注意点等を説明されるも、
60%くらいしか理解できなかった。
『OK、OK』と適当に相槌して、車に乗り込んだ。
そして、すぐにiPhoneの音量を最大にして
シガーロスの「残響」を聴く。
目の前には、地球のはじまりみたいな風景。
10年越しの夢が叶った瞬間。
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目的②愛機ライカM10デビュー戦
この旅は、ライカM10で撮ろうと決めていた。
実質、本格的なこのカメラのデビュー戦です。
スナップ写真が大好きな私は、あえてAFが使えない
MFオンリーのカメラであるM10で、
アイスランドを撮りたかった。
息を止めてピントを合わせ、シャッターを切る。
このカメラは、写真のシンプルなたのしさを
改めて教えてくれたような気がする。
ちなみに、今回持っていったカメラはこちら。
・ライカM10(ズミルックス50mm)
・富士フィルムGFX50S(レンズは何だっけ…)
・ニコンD850(24-70mm、70-200mm、50mm)
アイスランドの風景は360°見渡せるので、私の
画角ではまったく足りず、すぐにワイド側は諦めた。
結果、大好きな50mmばかりで撮っていた(笑)
下の写真は愛機M10で撮影した写真です。
(5年前の田村が若い、、、あと細い)
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5.この旅の2つのルール
ルール①節約貧乏旅行であること
今回は、音楽を聞くことと写真を撮ることが目的。
食事や宿泊場所は二の次、とにかく節約!
物価の高いアイスランドでいかに安く旅できるか。
【車中泊の日々】
ということで、必然的に車中泊に。
公園の駐車場や、各地のキャンプ場などで車中泊。
後部座席は狭いし、さすがに夜になると冷え込む。
写真はこの旅の相棒、スズキVITRA。
SUVというには頼りないけど一応4WDです。
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【格安スーパーBONUS】
物価の高いアイスランドですが、貧乏旅の強い
味方が、ブタが目印のスーパー「BONUS」です。
国内30店舗を誇る、アイスランド最安のスーパー。
ここでパンやヨーグルト、ハムなどを買い込んで、
車内や公園で食べる日々でした。
旅の期間中、温かいご飯を食べた記憶はありません。
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ルール②行き先は事前に決めない
思いつくまま車を走らせる。
行き先は神のみぞ知る。
超効率悪い旅で、今日どこへ行くのか、
どこで寝泊まりするのか誰にもわからない。
ガイドブックの予習もしていないので、
運転中「すんごい滝を見つけた!」と興奮して
写真を撮りにいったら、超有名な観光地だった…
そんなのばかりでした…。
走行距離は毎日300kmは走っていたと思います。
リングロードを一周できる距離を走っていたけど、
無計画のため、1/3しか走破できなかった。
帰りの機内でガイドブックをじっくり見て、
美しい風景やおいしそうな食べ物を発見するも
時すでに遅し。
でも、自由に走る旅はとても面白かった。
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5.アイスランドおすすめポイント
適当に旅するものだから、具体的な店や
地名などほとんど覚えていないんです(笑)
なので記憶を辿って書きますが、地名がわからない
ポイントは写真で誤魔化してしまっていますので、
ご了承くださいませ。
①白夜(びゃくや)
白夜なんて教科書でしか見たことなかったけど、
アイスランドは北極に近く、
5月上旬から8月下旬くらいまで白夜なんです。
完全な白夜ではなく、太陽は一応沈みます。
7月は、日の入り0:00前、日の出3:00ごろ。
夕焼けからそのまま朝焼けになり、
空が完全に暗くなりません。
写真を撮る私には、夢のような環境です。
明るい時間が多いので、朝から晩まで
ずーーっと外にいたような気がします。
夕方の柔らかい光を撮りたくて、
カメラを持って歩き続けてると、眠くなる。
「夕方なのにおかしいな」と思ったら夜9時だった。
って時の写真が上から2枚です。
3枚目は深夜1時ごろの貴重な夕焼け。
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②ハイランド
ハイランド
アイスランドのハイランドは4万k㎡。ヨーロッパでは、最も広大な無人地帯のひとつ。多くの山々が連なり、氷河や渓谷、地熱活動の活発なエリアが多くある。冬には厳しい天気に見舞われ積雪量も多く、人の立ち入りはできない。6-7月だけ道が開通する。
大雑把にいうと、リングロードの内側の内陸部。
整備されていない砂利道で、4WDのみ通行可能。
私のレンタカーは一応4WDのSUVだけど、
ハイランドに侵入する車は本格的なSUVばかり。
写真のような道が延々と続きます。
この期間だけ解放されるエリアで、美しい自然に
出会えるので行く価値はありますが、
かなりの凸凹道だし、ハイランドをドライブする際は
必ず【ハイランドドライブ可】の車両でどうぞ。
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②ヘイマエイ島
ヘイマエイ島
アイスランド南西沖のヴェストマン諸島で最大かつ唯一の有人島。人口わずか 5,000 人以下の島。1973 年には、火山の噴火によって流れ出した溶岩流に町が襲われ、世界の注目を集めました。
「どこか素敵な場所ありませんか?」と、
現地の人に聞き、おすすめされたヘイマエイ島。
本土からフェリーに揺られ3時間。
滞在時間は少しでしたが、のんびり散策。
かつての火山で全島民避難し、
家屋の1/3が失われた悲しい過去を持つ島。
たくさんの子どもたちと触れ合い、
私はここが大好きになりました。
とてもピースフルで美しい島でした。
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③レイキャビク
アイスランドの首都です。
ハットルグリムス協会やチョルトニン湖など
観光スポットもある、徒歩で回れるコンパクトな街。
宇宙一おいしいホットドック屋もあるよ。
ギャラリーや雑貨店、本屋や公園を街ぶら。
クレイジージャーニーで写真家の佐藤健寿さんが
紹介していた「ペニス博物館」が一番の目的地。
B級スポット巡りが趣味の私ですが、
日本の秘宝館的な空気感ではなく、
学術的にもちゃんとした博物館でした。
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④ヨークルスアゥルロゥン氷河湖
リングロードを、レイキャビクから東に
300kmほど走ると、ヨークルスアゥルロゥン湖。
ボートで氷河の近くまでいけるみたいです。
氷河のコンディションはあまりよくなかったけど、
夏のアイスランドで氷河が見れて満足でした。
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⑤墜落飛行機DC-3の残骸
1973年に、アメリカ軍の飛行機が南海岸のヴィークの町の近くにある砂浜に不時着。奇跡的に死者は出なかった。墜落事故後も飛行機は撤去されず、そのまま残されている。
この飛行機は私有地の砂浜にあり、近くまで車で
行くことができないので、国道1号線沿いの
駐車場に車を止めて早朝の霧の中歩き始める。
歩いても歩いても辿りつかないんです。
写真一枚目の、この風景が永遠に続く(笑)
1時間ほど歩いたら、突如砂浜に現れた飛行機。
映画のセットみたいで、嘘みたいな風景でした。
歩いてでもこの風景がみたい方はぜひ!
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⑤ブルーラグーンと地熱発電
定番中の定番、年間70万人が訪れる
5000㎡の敷地の巨大露天風呂です。
ブルーラグーンほど映える温泉はありません。
その背景には、アイスランドが
自然エネルギー大国であることが挙げられます。
アイスランドの電力は100%自然エネルギーで、
再エネだけで自国の電力を賄っています。
(30%地熱発電、70%水力発電)
ブルーラグーンは天然温泉ではなく、
地熱発電所が発電の際に取り込んだ地下熱水の
排水が再利用されています。
ちなみに入場料は12,000円くらいでした。
現在は15,000円ほどみたいですね。
アイスランドを感じられるし、行く価値ありです。
(ちなみに1人で来ている人はほとんどいません笑)
貧乏旅行の私は、1杯1000円超のスムージーの前で
10分悩みました。ルールに反してしまいましたが、
背徳感もあって、めちゃくちゃ美味しかった。
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⑥その他いろいろ(場所を忘れた)
恐ろしいほどの無計画旅だったので、
偶然立ち寄ったところも多く、
どこがなんだか思い出せない場所も多いんです。
路地裏とか、道をそれたりすると、
必ず素敵なシーンに遭遇することができる国。
写真を撮る人なら、超おすすめです。
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6.心のHPが回復する国
アイスランドの美しい風景を
シガーロスは音楽で表現していましたが、
アイスランドとシガーロスはイコールでした。
人は優しく、旅の道中一度も危険な目に遭わず、
心のHPが回復する旅でした。
旅から6年が経ちましたが、noteのおかげで
ようやくまとめることができました。
生涯であと2回は行きたい国。
北部や東部を全然回れなかったし、
クリスマスのアイスランドを見たいし、
写真も全然撮り足りない。
自然は美しく、人も優しく、安全な国です。
日本人にとっては物価は高いかもだけど、
節約すれば何とかなる!(笑)
ヨーロッパもいいけど、少し足を伸ばして
アイスランドはいかが?
記事の情報はちょっと古くてごめんなさい。
アイスランド旅行を検討している方は
「Guido to Iceland」で最新の観光地情報を
集めるとよいかと思います。
では、また。
ごきげんよう!