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AWSのサービス名で学ぶ科学用語6選!!

この度「AWSを好きになる本 ゼロから始めるクラウドジャーニー」というAmazonのクラウドサービスであるAmazon Web Services(AWS)についての本を出版させていただくこととなりました。

出版を記念して、本の予約受付開始の3/19(金)から発売開始の3/26(金)まで毎日記事を書く「出版アドベントカレンダー」という企画を行っています。

3記事目となる今回の記事では、AWSのサービス名で利用されている科学用語の解説を行いたいと思います。AWSを知らない・そんなに詳しくないという方でも分かるように解説を行っていくので楽しんでもらえたら嬉しいです。

ということで、今回もさっそく見ていきましょう!

※書籍については紹介ページを作ったのでよかったら覗いてみてください。

1. Lambda:ラムダ計算

ギリシア文字の11番目(アルファベットでL)の文字に「Λ」(ラムダ)が存在します。ギリシア文字というと「α」(アルファ)、「β」(ベータ)、「γ」(ガンマ)などが馴染深いところでしょうか。

AWSのLambdaはサーバーの契約が不要で、必要な時のみプログラムを実行することのできるサービスです。こちらのサービスの特徴を考えると、ギリシア文字のラムダそのものよりも、この文字のラムダを利用して計算を行う「ラムダ計算」に関連がありそうです。

ラムダ計算(ラムダけいさん、英語: lambda calculus)は、計算模型のひとつで、計算の実行を関数への引数の評価(英語: evaluation)と適用(英語: application)としてモデル化・抽象化した計算体系である。ラムダ算法とも言う。関数を表現する式に文字ラムダ (λ) を使うという慣習からその名がある。(Wikipedia「ラムダ計算」より)

数学的なバックグラウンドに乏しいので表面的ではありますが、ラムダ計算とは「関数を適用することによって値を得る計算」らしいと理解しました。そして、このラムダ計算のために使われる記法が「ラムダ式」と呼ばれるものです。

2. Redshift:赤方偏移

"redshift" は「赤方偏移」という意味の単語です。赤方偏移と言われても何のことだかよく分からないので取り合えずWikipediaで調べてみました。

赤方偏移(せきほうへんい、英: redshift)とは、主に天文学において、観測対象からの光(可視光だけでなく全ての波長の電磁波を含む)のスペクトルが長波長側(可視光で言うと赤に近い方)にずれる現象を指す。(Wikipedia「赤方偏移」より)

こちらだとちょっと説明が堅苦しいですが、赤方偏移は「光のドップラー効果」とも呼ばれるように、救急車が遠ざかっていく時に音が低く聞こえるドップラー効果の光バージョンで起こる現象のようです。

具体的には、地球から遠ざかる動きをしている星の光は赤みがかかって見えるんだとか。「赤方偏移」というと難しく聞こえますが、「red(赤に)」「shift(変わる)」という言葉の通りですね。

AWSのRedshiftは大量のデータを保存するデータウェアハウスサービスですが、AWSのクラウドを「赤」、既存のデータ保存環境を「青」として、赤方偏移しようといったネーミングがされたようです。

3. Kinesis:(生物の)動き、運動

"kinesis" は、刺激に対する生物の「動き」を表す生物学の言葉です。ここでいう動きは身体全体の動きだけでなく、細胞や臓器の動きの場合もあるとのこと。

動性(どうせい、kinesis, pl.kineses)は、細胞または生物体が刺激に対し反応する行動である。走性に似るが、方向性の決まった反応はしない点で異なる。その運動はあらゆる方向へ向かい、その上出鱈目である。その方向転換つまり再定位の頻度また活動性は刺激の強さに依存している。(Wikipedia「動性」より)

キネシスというと「サイコキネシス」(psychokinesis)といった言葉も想像されますが、これは精神・念(psycho)による運動(kinesis)ですね。

AWSのKinesisはストリーミングデータをリアルタイムに収集・処理・分析するサービスですが、常に動いている(流れ込んでくる)データを扱うという意味でしょうか。

4. Cloud9:積乱雲

"cloud nine" は直訳すると「9番目の雲」の意味です。アメリカの気象庁は雲の種類を9つに分類しているのですが、その中で9番目に指定されている雲が最も高い位置にある積乱雲(cloud nine)です。

また、一番高い雲の上には天国が広がっているといったところから、天にも上る幸せな気持ちを表現する慣用句として利用されることもあります。

AWSのCloud9はプログラミングを行う開発環境を即座に提供してくれるものですから、エンジニアはCloud9を使うことでハッピーになれるのかもしれません。

5. Quantum:量子

"quantum" は「量子」を表す言葉です。

量子とは、粒子と波の性質をあわせ持った、とても小さな物質やエネルギーの単位のことです。物質を形作っている原子そのものや、原子を形作っているさらに小さな電子・中性子・陽子といったものが代表選手です。(経済産業省「量子ってなあに?」より)

量子には0と1を同時に表す「重ね合わせ」や、コインの表裏のように2つの粒子が強い相互関係にある「量子もつれ」といった性質があり、こういった特徴を用いて開発されているのが量子コンピューターです。

AWSでも量子コンピューティングなどのサービスが提供されており、サービス名に "quantam" と入っているサービスでは台帳データベースの「Quantam Ledger Database」が存在します。

余談ですが、IBMが保有している量子コンピューターはこの "quantum" の頭文字をとって「IBM Q」という名前がついています。

6. Braket:ヒルベルト空間のベクトル間の内積

AWS の「Braket」は量子コンピューティングのサービスですが、調べてみたところ ブラケット (bra-ket, bracket) とは量子力学における「ヒルベルト空間のベクトル間の内積」を表す記号だそうです。

色々調べてみたんですが、これだけは結局何のことかよく分からなかったです、、

量子力学関係の言葉なので量子コンピューターと関係ある言葉なのかなと想像するのが限界でした。

終わりに

ということで昨日の英単語編に引き続いてAWSのサービス名で使われている科学用語を紹介しました。

先端テクノロジーの開発にはサイエンスに秀でた方々が携わられているのだと思いますが、これまであまり縁のなかった世界をAWSのサービス名から垣間見れた気がします。

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