プロ野球独立リーグのドラフト会議、合同トライアウトを見て感じたこと。伝えたいこと。
先日11月22日、プロ野球独立リーグのドラフト会議がありました。
それに先立ち、11月17日には川崎市にあるジャイアンツ球場にて、プロ野球独立リーグの合同トライアウトが開催されました。
幸いなことに、2017年シーズンを選手とした過ごした、高知ファイティングドッグスのスタッフとして、その合同トライアウトの一次試験に参加させていただきました。
初めてスタッフ側として参加させていただいた、合同トライアウト。
そして今回行われたドラフト会議の結果を受けて、
「能力」だけが決して合格基準じゃないということを、改めて感じました。
事実、僕自身、決して高い能力を持っていたわけではありません。
この合同トライアウトにも、僕より能力の高い選手はたくさんいました。
しかし、その選手達全員がこのドラフト会議で指名されたわけではない。
やはり、「能力」だけが決して合格基準ではないのです。
そしてもう一つ、感じていた感覚が、確信に変わることがありました。
それは何か。
今日はそのことについて、書いていきます。
《目次》
1.生き残るために必要なのは、「能力」だけではない
2.なぜ、合同トライアウトは開催されるのか
3.僕が合同トライアウトを受けたとき、最も重要視したこと
4.スタッフとして感じた、見る側の視点
5.伝えたいこと
6.終わりに
1.生き残るために必要なのは、「能力」だけではない
僕自身、決して高い能力ではありません。
年齢:26歳(合同トライアウト合格当時)、
球歴:小中高等学校の成績は、最高でも県大会2回戦、高校通算本塁打0本
大学は硬式野球部に所属するものの、3年時から学生コーチに就任。
卒業後は3年間公立高校勤務、4年半のブランクを経て、1シーズンBFLで数試合を経験したのみ。
50m走:6.7秒
遠投:76m…笑
(言い訳ですが、四国アイランドリーグの合同トライアウトを合格したとき、遠投は1投勝負で、緊張のあまり低く投げてしまいました。笑 実際は90m程度。それでも自慢できるほどでもありません。笑)
ダメ具合の自慢も、どうかと思うとこもありますが(笑)、まぁスカウトに引っかかるポイントなんて、0に等しい。
しかし、こんな人間であっても、実際に合格を掴むことができた。
生き残るために必要なのは、決して「能力」だけではないんです。
2.なぜ、合同トライアウトは開催されるのか
大人気野球マンガ、「MAJOR」の主人公である「茂野吾郎」が、名門海堂高校のセレクションを受験する一節をご存知でしょうか?
その中で、こんな場面があります。
※小学館eコミックストア MAJOR 22巻より引用 著:満田拓也
このシーン。まさに核心をついたシーンなのではないでしょうか。
なぜ、合同トライアウトは開催されるのか。
それは、スカウティングから漏れた人材を発掘するためです。
もっと掘り下げて言うと、野球の技術ではスカウトの目には引っかからなかった。データや情報に残すほどに値しなかった人材を発掘するため。
語弊を恐れずに極論を述べると、野球が下手な人のために、催されると考えても間違いないと思います。
この合同トライアウトの開催理由こそ、生き残るために必要なのは、「能力」だけではないというポイントです。
3.僕が合同トライアウトを受けたとき、最も重要視したこと
前述のことから、僕は合同トライアウトを受けるときに、「能力」をアピールすることには重要視しませんでした。
それをするなら、個別トライアウトを受けるべき。
受けるのは合同トライアウト。
そんな合同トライアウトで最も重要視したことは、
「目立つためのバカ騒ぎ。」でした。
数百人いる受験者の中から、とにかく自分をアピールしなくてはいけない。
だからこそ、上手い下手は関係なく、堂々とバカになって、騒ぎ散らかして、誰よりも目立とうとした。
僕はポジションがキャッチャーです。
捕球テスト(ノック)のときは、誰よりも声を出して、誰よりも指示を出して、誰よりも盛り上げた。
投球テスト(ブルペン)では、同様に誰よりも声を出して、ピッチャーを盛り立てて、キャッチャーミットの音が鳴らなくとも、声を張りました。
ただ、それだけのこと。
当時同じ合同トライアウトを受け、後にチームメイトとなった友人は、「トライアウトでバカ騒ぎしていた人」と、覚えてくれていました。
スカウトからも、「いいねぇ〜」などと言っていただけたり。
100人以上の受験者の中で、目立つためには、それしかないと思ったわけです。
バカになって、誰かに面白がってもらって、「もう少し見たい…」と思わせれば、それで良いんです。
4.スタッフとして感じた、見る側の視点
※これはあくまで僕自身の感じたことなので、決して100%正解ではないということは前提にしてください。
冒頭で述べた、「感じていた感覚が、確信に変わることがありました。」とは、まさに「どうにかしてでも目立とうとする選手」が、チャンスをもらえる機会が増えるということ。
実際にスタッフとして現場に立って感じたことは、数百人いる受験者を見るというのは、非常に苦労のかかることでした。
スカウト、スタッフだって人間です。
もやは人間の心理を追って考えていただきたい。
そこそこに能力がある選手より、バカ騒ぎする選手の方が、勝手に目立つし印象に残る。
見る側の体力を使わなくとも、自然と印象に残る選手は魅力的に感じます。
きっと、そういう選手にワクワクを覚えたり、期待をするのが人間の心情。
考えが汚い、邪道と思われてしまったらそれまでですが、これは事実です。
あくまで僕個人の意見であることは繰り返しますが、この事実は変えられないものであり、この事実に適応すれば、きっとチャンスも広がるのではないでしょうか。
だからこそ僕は、「能力」だけが決して合格基準じゃないということを、改めて感じたわけです。
5.伝えたいこと
今回僕は、合同トライアウトにスタッフとして参加させていただいて、様々なことを感じました。
立場を考えずに、述べている自覚はもちろんあります。
生意気、上から目線に感じられる方もいるでしょう。
誹謗中傷承ります、炎上も大歓迎です。
ただ、この記事を読んでくださった方の1人にでも、何か感じるものがあり、その人にとっての「挑戦」が、より良いものになればそれで良い。
僕は決して「能力」を高めることを否定しているわけではありません。
ただ「声」を出して、目立てば合格できるわけでもありません。
投手が160キロのボールを投げれば、必然的に目立つでしょう。
打者が全打席ホームランを打てば、黙っていても合格するでしょう。
ただここで伝えたいことは、
これらは「合格」と言う「目的」を達成する「手段」であると言うこと。
この2つを履き違えてしまうと、「目的」を見失い、「手段」を成すことばかりに一生懸命になってしまうように思います。
要するに、報われない努力になりかねないと言うこと。
「目的」とは、人生をより良く生きることだと僕は考えます。
そのために、より良い「手段」を思考する。
そして、その「手段」の連続こそ、「挑戦」なのではないでしょうか。
だからこそ、「手段」を明確に理解した上で、多くの「挑戦」に臨んで欲しい。
そして、多くの人が、より良い人生を送れるようになれば、僕はそれ以上に嬉しいことはありません。
6.終わりに
とても長くなりました。
ここまでお付き合いいただき、ありがとうございます。
当初、この記事は有料記事にしようか悩みました。
有料を盾に、自分の身を守ろうかと考えたのですが、それよりも多くの人の挑戦のきっかけにできればと思い、今回は有料を見送りました。
かなり主観的な意見であり、参考にならなかった場合はごめんなさい。
単純に価値観が合わないのかなと思います。
僕は、四国アイランドリーグplusの合同トライアウトには合格しましたが、1年で自由契約となり、決して成功者とは言えません。
合同トライアウトだって、4回受けました。
全てを簡単にこなせるような人間でもありません。
ただ、こうやって記事を書けるのも、1度だけの「合格」がもたらしてくれた結果であり、その経験があったからこそ、多くを学ぶことができました。
ここで独立リーグの魅力を語ってしまうと、更に長くなるので控えますが、僕はこうやって記事を書きたくなるくらい、この環境には多くの魅力と可能性が詰まっています。
そして何より、「挑戦」することで、新しい自分に出会えます。
だからこそ、僕は多くの人の「挑戦」を応援したい。
それがまた、僕の1つの挑戦でもあります。
最後は少しカッコつけたことを言いましたが、この記事をきっかけに、1人でも勇気を持って、より良い「挑戦」に進むことができれば、幸いです。
また、この記事を書くきっかけを与えてくださった、高知ファイティングドッグス球団に、感謝申し上げます。
ご精読、ありがとうございました。
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